2017年9月7日木曜日

特定危険指定暴力団「工藤会」の弱体化!毎月納める「上納金」が、半額程度に下げられる

工藤会「上納金」ノルマ半額に 進む弱体化 壊滅作戦3年、福岡県警手応え

2017/9/7(木) 7:41配信



特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)の活動を巡り、幹部が工藤会本体に毎月納める「上納金」が昨年秋ごろ、半額程度に下げられたことが6日、捜査関係者などへの取材で分かった。福岡県警が2014年9月、「壊滅作戦」に着手してから11日で丸3年。中枢幹部の摘発などで組織が弱体化し、資金集めが困難になったことが要因とみられ、集中捜査が一定の効果を上げている。

捜査関係者などによると、上納金は「代紋代」などと呼ばれ、組の規模などにより異なるものの、従来の額は理事長を含む執行部と直若(直系組長など)が約20万円▽上席専務理事と専務理事約10万円▽常任理事約7万円▽幹事約2万円-などだった。

「集金システムにほころび」
壊滅作戦着手後、飲食店や建設業者への「みかじめ料」要求に対し、県警が取り締まりを強化。資金が調達できず上納金を納めない幹部が出始め、従来通りに支払っている幹部の不満が高まったため、昨秋の会合で減額が決まったという。

上納金は、幹部がそれぞれ配下の組員から原資を徴収、集めた金を「金庫番」に納める。みかじめ料をはじめとした犯罪収益で賄われてきた上納金は、工藤会という「看板」の使用料という側面もある。捜査関係者の一人は「鉄の結束とも言われた統率力が弱まり、組織の集金システムにほころびが生じている」とみている。

壊滅作戦は、14年9月11日に着手。トップで総裁の野村悟被告(70)は殺人などの罪で起訴されている。県警元警部銃撃事件と歯科医師刺傷事件で組織犯罪処罰法違反などの罪に問われた組員に対して福岡地裁は3月、野村被告の指揮命令に基づく犯行と認定した。

「資金がない」「見返りない」 傘下組織
「金がない。どの組も資金繰りが相当きつい」。昨年秋ごろに決定したという上納金(代紋代)の減額。今年8月、西日本新聞の取材に応じた特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)の現役組員は、トップ不在で組織の統制力がほころび始めた実情を明かした。

福岡県警は壊滅作戦で中枢幹部を相次いで摘発。飲食店や建設業者への「みかじめ料」要求に対して中止命令を経ずに逮捕できる2012年10月施行の改正暴力団対策法も、組織の屋台骨を揺るがした。「しのぎがなくてどうやって稼ぐんか。納めないかんものも納められんようになった」

工藤会捜査を長年担当する捜査員に情報が入ったのは壊滅作戦着手から間もなくのことだった。「上納金を納めない組幹部が出てきた」。毎月納める組幹部からは不満の声が噴出。「トップが長期不在の中、何で上納金を払ってまで忠誠を誓わないといけないのか」「上納金を払うメリット(見返り)がない」-。現役組員によると、上層部の不在で統制が利かない状況だったという。

不満解消のため、工藤会がやむなく動いた。組幹部が毎月集まる定例会で「減額」を正式決定。捜査幹部の一人は「今まで、工藤会の上納金引き下げなど聞いたことがない。初めてではないか」と、壊滅作戦の手応えを口にした。

別の工藤会系組関係者によると、「もう付き合いきれない」と関係を断つ建設業者や飲食店関係者も増えたという。この組関係者は「(改正暴対法で)逮捕されるけん、強くも引き留められん」と説明した。

昨夏から年末にかけ、工藤会執行部にいた3人が相次ぎ役職を辞任した。捜査関係者は「役職を放棄することで、余力を自分の組の勢力維持に回したいのではないか」と分析している。

参照元 : 西日本新聞


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