2017年9月25日月曜日

暴力団トップの使用者責任を問う損害賠償請求訴訟、26件中、14件が原告勝訴か和解などで終結

<暴力団損賠訴訟>26件中14件終結 使用者責任敗訴なし

2017/9/24(日) 8:00配信

指定暴力団組員の犯罪行為による被害者らが暴力団トップの使用者責任を問う損害賠償請求訴訟が2009年から少なくとも26件起こされ、このうち14件の訴訟が原告勝訴か和解などで終結していることが警察庁への取材で分かった。原告敗訴のケースはなく、和解金はほぼ支払われたとみられる。専門家は「暴力団にとっては大きな経済的打撃だ。被害者救済と資金源剥奪への流れができつつある」と評価している。

◇「資金源剥奪に流れ」専門家評価

警察庁によると、改正暴力団対策法で指定暴力団トップの使用者責任が規定された翌年の09年以降、組員の犯罪行為についてトップに損害賠償を求めた訴訟が少なくとも東京、名古屋、神戸、福岡地裁などに26件起こされた。このうち終結した14件の内訳は▽原告勝訴2件▽和解11件▽取り下げ1件。賠償金や和解金の総額は公表された6件で計1億6878万円に上り、最高額は放火殺人の被害者遺族と山口組組長との和解金1億円だった。

関係者によると、暴力団トップの使用者責任は民法でも規定されていたが、使用関係の立証などが高いハードルとなってきた。08年5月施行の改正暴対法は、組員が暴力団の威力を利用して資金を得るために他人の生命や身体、財産を侵害したことを示せば、トップの責任を問えることになった。ただ、実際の訴訟では暴対法の使用者責任が認められた判例はまだ少なく、民法上の使用者責任も同時に問うケースが多い。

日本弁護士連合会の元民事介入暴力対策委員会委員長で、同種訴訟に携わる疋田淳弁護士は「暴力団側は敗訴の裁判例を作りたくないため和解することが多いとみられる。原告側も被害者救済の観点から和解に応じることが多く、和解金はほとんどが実際に支払われている」と打ち明ける。

一方、被害者や遺族にとって提訴へのハードルは依然として高い。疋田弁護士は「原告が証人出廷する場合は遮蔽(しゃへい)措置が取られるなど訴訟環境は改善されてきたが、いまだに泣き寝入りする被害者はいる」と指摘。「暴力団事務所の使用差し止めを求める際に住民に代わって各地の暴力追放運動推進センターが提訴できるように、センターが被害者らに代わって暴力団トップに損賠訴訟を起こせる制度の導入を検討すべきだ」と話している。

参照元 : 毎日新聞



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