2017年10月13日金曜日

任侠山口組側から神戸山口側への「報復」情報が飛ぶなど緊張の糸はほぐれない

「任侠山口組」関係者射殺1カ月 ほぐれぬ緊張「報復」の“怪”情報も 警察当局、歓楽街対策で抗争阻止狙う

2017/10/12(木) 11:59配信



指定暴力団神戸山口組を離脱した組員らが結成した「任侠(にんきょう)山口組」のトップが神戸山口組系組員の男らに襲撃され、ボディーガードの男性が射殺された事件は、12日で発生から1カ月を迎えた。実行犯の足取りがつかめない中、任侠側から神戸山口側への「報復」情報が飛ぶなど緊張の糸はほぐれない。警察当局は両組織の縄張りが重なる歓楽街の取り締まりを強化するなど、抗争の封じ込めを図っている。

■飛び交う怪情報

「任侠側が今夜、大阪・ミナミで神戸側の事務所を襲撃するようだ。相手の組員の地位を問わない無差別の返し(報復)の指示も出ているらしい」。捜査関係者によると、事件から2日後の9月14日夕方ごろ、暴力団関係者の間でこうした怪情報が飛び交った。

夜になると、任侠側の金禎紀(通称・織田絆誠(よしのり))代表(50)ら複数の幹部がミナミの組事務所に姿を見せた。目と鼻の先には神戸山口側の組事務所。実際は何事もなかったが、大阪府警が周辺に多くの捜査員を投入し、警戒に当たる騒動に発展した。

襲撃事件は9月12日の白昼、神戸市長田区内で発生した。神戸山口側の組員、菱川龍己容疑者(41)=殺人容疑で指名手配=ら複数の男が織田代表らが乗る車列を襲撃。もみ合いになった織田代表のボディーガード、楠本勇浩(ゆうひろ)さん(44)が射殺された。

ある暴力団関係者は「両組織の勢力が入り乱れる繁華街では、いつ争いが起きても不思議でない」と懸念する。

■暴力団に2億円

捜査関係者によると、襲撃事件現場からほど近い神戸・三宮の歓楽街では、任侠側が神戸山口組を離脱した4月末以降、両組織がそれぞれ飲食店への巡回を強化したという。地元関係者は「みかじめ料の支払先を神戸側から任侠側に切り替えた店もある」と明かしており、従来の縄張りが崩れたとの見方もある。

治安悪化を懸念した兵庫県警は5月、「歓楽街特別暴力団対策隊」を発足。歓楽街の取り締まりと並行し、三宮周辺のみかじめ料の支出実態を調査したところ、過去30年間で約150店が暴力団側に総額約2億円を支払っていたことが判明した。

警察関係者は「かつては暴力団がトラブル解決に役立つと考える人もいた。今後、暴力団との付き合いが損だとの意識を街に浸透させることで、暴力団の資金源を絶つとともに、抗争の防止にもつなげていきたい」と話している。

参照元 : 産経新聞




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