どちらが「有名なヤンキーか」で中学生同士が言い争い そこに暴力団が現れ 未明の集団リンチに発展 埼玉県警
2022年12月9日 金曜 午前6:10
男子中学生を車で連れ去り、監禁した上で、集団で暴行したとして、少年・少女ら合わせて11人が埼玉県警に逮捕された。キッカケは、どちらの方が「有名なヤンキーか」という、言い争いだった。逮捕者の中には、成人の暴力団員も含まれていた。
「自分は有名なヤンキーだ」「私の方が有名」
指定暴力団・住吉会系組員の小口直斗容疑者(25)ら成人の男3人と、15歳から18歳の少年少女8人は、今年10月2日未明、埼玉県内で、14歳の男子中学生を車に監禁した後、鉄パイプや拳で、顔を殴るなどして、全治3カ月のケガをさせた疑いが持たれている。逮捕容疑は、生命身体加害目的略取、監禁、傷害だ。
▼逮捕された暴力団員の小口直斗容疑者(25)(7日 蕨署)
キッカケは、被害者の男子中学生が送ったSNSだった。男子中学生は、9月ごろ、SNSを通じて知り合った15歳の女子中学生(逮捕済み)に対して、「自分は埼玉県の有名なヤンキーだ」とメッセージを送ったという。
すると、女子中学生は「私の方が有名なヤンキーだ」と返信。このやり取りがキッカケで、トラブルになったという。その後、10月1日に、両者の間で話し合いの場が持たれた。男子中学生は先輩とともに、女子中学生は知人とともに、JR蕨駅近くで面会したとのこと。
およそ20人が中学生宅に押しかける
男子中学生と女子中学生は、初対面だった。その際は、何も起こらず、両者は別れた。ところが、女子中学生が、知り合いの小口容疑者に連絡したことで、事件に発展することになった。
▼男子中学生が集団リンチされた現場(7日 さいたま市)
男子中学生は、さいたま市内を3箇所に渡って連れ回され、暴行を受けたという。
翌10月2日、小口容疑者が”後ろ盾”となっている暴走族や旧車會など不良グループのメンバーらも集結。小口容疑者らとともに、男子中学生が住む川口市内のアパートを割りだし、およそ20人で、押しかけたというのだ。
時刻は午前2時40分ごろ。自宅のピンポンが鳴らされ、被害者の男子中学生は、応対に出たという。そのまま、近くに止めてあった車に乗せられ、監禁されたとのこと。アパートの周りには、容疑者らの車が5~6台も集まっていたという。
4時間監禁、男子中学生は重傷
車内では「殺すぞ。指を詰めるぞ」などと脅された男子中学生。さらには、さいたま市内を、3か所に渡って連れ回され、鉄パイプや拳で殴られるなどしたという。結局、解放されたのは、およそ4時間後の午前6時半ごろだった。重傷を負った男子中学生は、路上に放置されたという。
▼小口容疑者は、犯行の”指示役”として、事件のおよそ1カ月後に逮捕された
ケガの程度は、全治3か月。肋骨や鼻の骨が折れていたそうだ。男子中学生は、親族とともに、「SNSが原因で被害にあった」と川口署に相談。暴力団員が関与していたことから、捜査四課などが捜査に乗り出す事態となった。
県警では、防犯カメラの映像解析や関係者の事情聴取などを重ねて、被害者の自宅アパートに押しかけた少年少女らを特定。最終的に、犯行を指示した小口容疑者らの逮捕に漕ぎつけたのだった。県警は、容疑者11人の認否を明らかにしていない。