麻薬カルテル抗争に発展か 麻薬王「エルチャポ」の息子ら拉致
2016年8月17日(水)13時42分配信
メキシコ中部ハリスコ州のリゾート地、プエルトバジャルタで15日にレストランから拉致された6人のうち一人が、麻薬王「エルチャポ(ちび)」ことホアキン・グスマン受刑者の息子だったことが明らかになった。対立する麻薬カルテルの構成員による犯行とみられており、抗争に発展する可能性がある。
当局者によると、地元の「ハリスコ新世代カルテル」に拉致されたのは、グルマン受刑者が長年率いていたシナロア・カルテルの構成員6人で、そのうちの一人がヘスス・アルフレド・グスマン容疑者(29)だった。
ヘスス容疑者はシナロア・カルテルの幹部とみられ、米当局が麻薬密輸容疑で指名手配している。父親のグスマン受刑者についても、大量の麻薬を米国内に密輸した容疑がかかっており、米当局は同受刑者の身柄引き渡しをメキシコに求めている。
グスマン受刑者は今年1月に再拘束された。同受刑者は1.6キロにわたって掘られたトンネルを使って厳重に警備された刑務所から脱走し、約半年間逃走していた。
カルテル抗争の恐れ
ハリスコ州のエドゥアルド・アルマグエル司法長官は、科学捜査官によるレストランの現場検証でヘスス容疑者が拉致された6人に含まれることが確認されたと述べた。ほか4人の身元も確認済みだという。ただ、詳細については明らかにしなかった。
拉致された6人には、グスマン受刑者の別の息子イバン氏も含まれるという一部報道も出ている。
地元当局によると、拉致された6人はお祝いのために近くの州からプエルトバジャルタにある高級レストランを訪れていたという。
メキシコで取材するBBCのホアン・ポリエ記者は、拉致が2つの大きな麻薬カルテルの抗争に発展する可能性があると指摘している。
ハリスコ新世代カルテルとシナロア・カルテルは、メキシコ西岸の主要な麻薬密輸ルートの支配をめぐって対立してきた。メキシコの麻薬密輸組織はコカインを中心とした大量の違法薬物を米国に運んでいる。
(英語記事 Son of drug lord 'El Chapo' Guzman kidnapped in Mexico)
参照元 : BBC News
メキシコ「麻薬戦争」でカルテルが淘汰、現在は二大勢力が生き残り
2015年06月18日 15:34
多くの麻薬カルテルが犇 (ひし) めいていたメキシコではその淘汰が進み、現在は僅か 2 大勢力を残すのみとなっている。「麻薬戦争」の代名詞となった地での最新情報が FOX ニュース ラテン版で報じられた。
数年前に勢力を誇っていた 7 つの麻薬カルテルは、その後の統合や分裂、衰退などの淘汰が進み、現在は「シナロア・カルテル (Sinaloa Cartel) 」と「ハリスコ新世代カルテル (CJNG: Jalisco New Generation Drug Cartel (略称はスペイン語の頭文字に由来) 」の 2 大勢力に集約されている。
現 2 大勢力の 1 つ、シナロア・カルテルは単一の組織としては西半球で最大にして最強と称される組織。同組織は縁故や地域間での繋がりを通じて構成される非階層的組織が特徴。
一連の麻薬戦争を通じて、最も成長と繁栄を遂げた組織と言われている。組織内での命令は絶対的だが、1 人のリーダーによってではなく、理事会的な集まりの中で下されると言う。
関連記事:メキシコ凶悪麻薬犯罪組織ファミリーの生活が SNS で明らかに
一方の CJNG は、2010 年にシナロア・カルテルから分岐した成長著しい組織。カリブ地域、ラテンアメリカの犯罪組織を分析している非営利団体・InSight Crime によると、CJNG はこの分野で最大手であるシナロア・カルテルが蓄積した麻薬密売に関するあらゆるノウハウを元手にしていると報告している。
▼メキシコ麻薬戦争の光と闇、ドキュメンタリー映画『皆殺しのバラッド』(Narco Cultura)
近年のメキシコ麻薬戦争について紐解いてみると、2006 年 12 月、当時大統領に就任したフェリペ・カルデロンの下、それまで麻薬密売組織に対して受動的だった政策が一変。同大統領は麻薬密売組織に対する強硬な一掃政策を推し進めた。政策の実行から 8 年が過ぎ、これまでに麻薬戦争関連での死者は 10 万人以上にもなると推計されている。
「戦争」の火種となった、麻薬原料のケシがメキシコへ持ち込まれたのは 1860 年代。当時英国によってアヘン漬けにされた中国の移民が南米へ持ち込んだのが起源とされている。その後、近隣の米国へ不法に持ち込み、売りさばく「密輸」が一大ビジネスとなっている。
関連記事:世界の犯罪組織の収入別ランキング・トップ 5 が発表、1 位は山口組の 8.7 兆円
そうした中で「カルテル」と呼ばれる麻薬関連の不法組織が蔓延り、組織間での縄張り争いや抗争が激化。巻き込まれる犠牲者も急増することになる。そしてその潤沢な資金を背景に、公権力の買収、残忍な手口と暴力を使うことによって社会を封じ込めするなど、その影響力は隅々に渡ることになる。
いずれのカルテルも、近隣で武器大国である米国から大量の武器を密輸している他、カルテルの武装要員にはメキシコ軍で特殊部隊を経験したメンバーが多数含まれていると言われている。
今年 4 月には、CJNG がメキシコ第 2 の都市グアダラハラで警察車列を待ち伏せし襲撃する事件を起こしている。この襲撃によって警察官 15 人が殺害されており、事件の一報は、遠く離れた日本の一般メディアでも報じられている。
参照元 : militaryblog
2016年8月17日(水)13時42分配信
メキシコ中部ハリスコ州のリゾート地、プエルトバジャルタで15日にレストランから拉致された6人のうち一人が、麻薬王「エルチャポ(ちび)」ことホアキン・グスマン受刑者の息子だったことが明らかになった。対立する麻薬カルテルの構成員による犯行とみられており、抗争に発展する可能性がある。
当局者によると、地元の「ハリスコ新世代カルテル」に拉致されたのは、グルマン受刑者が長年率いていたシナロア・カルテルの構成員6人で、そのうちの一人がヘスス・アルフレド・グスマン容疑者(29)だった。
ヘスス容疑者はシナロア・カルテルの幹部とみられ、米当局が麻薬密輸容疑で指名手配している。父親のグスマン受刑者についても、大量の麻薬を米国内に密輸した容疑がかかっており、米当局は同受刑者の身柄引き渡しをメキシコに求めている。
グスマン受刑者は今年1月に再拘束された。同受刑者は1.6キロにわたって掘られたトンネルを使って厳重に警備された刑務所から脱走し、約半年間逃走していた。
カルテル抗争の恐れ
ハリスコ州のエドゥアルド・アルマグエル司法長官は、科学捜査官によるレストランの現場検証でヘスス容疑者が拉致された6人に含まれることが確認されたと述べた。ほか4人の身元も確認済みだという。ただ、詳細については明らかにしなかった。
拉致された6人には、グスマン受刑者の別の息子イバン氏も含まれるという一部報道も出ている。
地元当局によると、拉致された6人はお祝いのために近くの州からプエルトバジャルタにある高級レストランを訪れていたという。
メキシコで取材するBBCのホアン・ポリエ記者は、拉致が2つの大きな麻薬カルテルの抗争に発展する可能性があると指摘している。
ハリスコ新世代カルテルとシナロア・カルテルは、メキシコ西岸の主要な麻薬密輸ルートの支配をめぐって対立してきた。メキシコの麻薬密輸組織はコカインを中心とした大量の違法薬物を米国に運んでいる。
(英語記事 Son of drug lord 'El Chapo' Guzman kidnapped in Mexico)
参照元 : BBC News
メキシコ「麻薬戦争」でカルテルが淘汰、現在は二大勢力が生き残り
2015年06月18日 15:34
多くの麻薬カルテルが犇 (ひし) めいていたメキシコではその淘汰が進み、現在は僅か 2 大勢力を残すのみとなっている。「麻薬戦争」の代名詞となった地での最新情報が FOX ニュース ラテン版で報じられた。
数年前に勢力を誇っていた 7 つの麻薬カルテルは、その後の統合や分裂、衰退などの淘汰が進み、現在は「シナロア・カルテル (Sinaloa Cartel) 」と「ハリスコ新世代カルテル (CJNG: Jalisco New Generation Drug Cartel (略称はスペイン語の頭文字に由来) 」の 2 大勢力に集約されている。
2011 年当時に勢力を誇ったメキシコの麻薬カルテル
①セタス (Los Zetas)
②シナロア (de Sinaloa)
③ゴルフォ (del Folfo)
④ティフアナ (de Tijuana)
⑤テンプル騎士団 (Los Caballeros Tempiarios)
⑥パシフィコ (Pacifico Sur)
⑦ファレス (de Juarez)
①セタス (Los Zetas)
②シナロア (de Sinaloa)
③ゴルフォ (del Folfo)
④ティフアナ (de Tijuana)
⑤テンプル騎士団 (Los Caballeros Tempiarios)
⑥パシフィコ (Pacifico Sur)
⑦ファレス (de Juarez)
現 2 大勢力の 1 つ、シナロア・カルテルは単一の組織としては西半球で最大にして最強と称される組織。同組織は縁故や地域間での繋がりを通じて構成される非階層的組織が特徴。
一連の麻薬戦争を通じて、最も成長と繁栄を遂げた組織と言われている。組織内での命令は絶対的だが、1 人のリーダーによってではなく、理事会的な集まりの中で下されると言う。
関連記事:メキシコ凶悪麻薬犯罪組織ファミリーの生活が SNS で明らかに
一方の CJNG は、2010 年にシナロア・カルテルから分岐した成長著しい組織。カリブ地域、ラテンアメリカの犯罪組織を分析している非営利団体・InSight Crime によると、CJNG はこの分野で最大手であるシナロア・カルテルが蓄積した麻薬密売に関するあらゆるノウハウを元手にしていると報告している。
▼メキシコ麻薬戦争の光と闇、ドキュメンタリー映画『皆殺しのバラッド』(Narco Cultura)
近年のメキシコ麻薬戦争について紐解いてみると、2006 年 12 月、当時大統領に就任したフェリペ・カルデロンの下、それまで麻薬密売組織に対して受動的だった政策が一変。同大統領は麻薬密売組織に対する強硬な一掃政策を推し進めた。政策の実行から 8 年が過ぎ、これまでに麻薬戦争関連での死者は 10 万人以上にもなると推計されている。
「戦争」の火種となった、麻薬原料のケシがメキシコへ持ち込まれたのは 1860 年代。当時英国によってアヘン漬けにされた中国の移民が南米へ持ち込んだのが起源とされている。その後、近隣の米国へ不法に持ち込み、売りさばく「密輸」が一大ビジネスとなっている。
関連記事:世界の犯罪組織の収入別ランキング・トップ 5 が発表、1 位は山口組の 8.7 兆円
そうした中で「カルテル」と呼ばれる麻薬関連の不法組織が蔓延り、組織間での縄張り争いや抗争が激化。巻き込まれる犠牲者も急増することになる。そしてその潤沢な資金を背景に、公権力の買収、残忍な手口と暴力を使うことによって社会を封じ込めするなど、その影響力は隅々に渡ることになる。
いずれのカルテルも、近隣で武器大国である米国から大量の武器を密輸している他、カルテルの武装要員にはメキシコ軍で特殊部隊を経験したメンバーが多数含まれていると言われている。
今年 4 月には、CJNG がメキシコ第 2 の都市グアダラハラで警察車列を待ち伏せし襲撃する事件を起こしている。この襲撃によって警察官 15 人が殺害されており、事件の一報は、遠く離れた日本の一般メディアでも報じられている。
参照元 : militaryblog
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