2016年5月19日木曜日

居酒屋で内輪話を勘違いされ、暴力団組員に脅し上げられた大学生3人「調理ばさみを持って、殺すぞコラ」

【衝撃事件の核心】「殺すぞ、コラ」暴力団員に居酒屋で脅し上げられた大学生3人“恐怖の5分間”

2015.5.8 18:30



「殺すぞ、コラ」。早朝の居酒屋で、はさみを持って大学生らに突然怒声を浴びせたのは、隣に座っていた暴力団組員だった。警視庁池袋署が暴力行為等処罰法違反容疑で暴力団組員の男(37)を逮捕した事件。きっかけは大学生には何の非もない会話の「勘違い」。なぜ居酒屋で組員に脅される事態となってしまったのか。

■ドライブ帰りの一杯が暗転… スキンヘッドに血走った目、調理ばさみを手に「殺すぞ」

2月23日午前4時半ごろ、JR池袋駅(東京都豊島区)から徒歩数分にある24時間営業の居酒屋。週明けの早朝にも関わらず、友人や恋人との楽しいひとときを求める客で40席ある店内は満席だった。

この日、もともと高校の同級生で、酒が飲める20歳になった男子大学生3人も、ドライブの帰り道に店に入った。隣席にいた暴力団組員が、はさみを持って襲いかかることなるとも知らずに。

大学生3人が怒号によって恐怖のどん底に突き落とされたのは、店に入って約30分後のことだった。隣席で交際相手の女性を前に楽しく酒と魚介料理に舌鼓を打っていた暴力団組員が突然、立ち上がった。

「今、お前なんて言った。ぶっ殺すとか言ってたよな。オレに向かって言ってるのか。お前らの方こそ殺すぞ」

そり上げた頭に血走った目で迫る暴力団組員の手には、同店名物の炭火焼きを食べるために各テーブルに備え付けられた刃渡り20センチの大型の調理ばさみが握られていた。

「やめてください。危ないですよ」

危険を感じた大学生3人がはさみを取り上げるが、暴力団組員の怒りは収まらない。大学生側の机にあった同じ調理ばさみに持ち替え、恫喝(どうかつ)は約5分間続いた。店員が110番通報し警察官が急行、警察官がその場をとりなして騒ぎは収まった。

警視庁は4月14日、暴力行為等処罰法違反容疑で暴力団組員を逮捕した。

■「今度会ったらぶっ殺す」内輪話を勘違い

「ブッ倒してやったよ」「ふざけんなよ」「今度会ったらブッ殺す」-。

捜査関係者によると、暴力団組員が激高したきっかけは、隣席の大学生3人が交わした、そんな他愛もない会話だったという。

大学生3人は最近、所属する大学のサークル旅行を終えたばかり。旅行中に他のグループとけんかになった話で盛り上がり、そのグループを今度はやっつける、という意味で会話していた。

だが、満員の居酒屋は会話が飛び交い、騒々しい。暴力団組員は別の店ですでに飲酒しており、この店の滞在時間も3時間を超えていた。断片的に大学生の会話を耳に挟み、その言葉を自分に対するものだと受け止めたようだ。

「若い客とトラブルになって、はさみを持って文句を言った記憶はあるが、はさみは振り上げてないし、殺すなんて言った記憶はない」。泥酔状態から冷めた暴力団組員は、調べに対しそう供述したという。

■「池袋はオレの街なんだ」暴力団勢力ひしめく東京・池袋、「けががなかったのはたまたま」

警察庁によると、全国にいる暴力団構成員や準構成員などの暴力団勢力は、減少を続けているとはいえ、警察が把握しているだけでも平成26年時点で5万3500人。警視庁によると、首都・東京にはその5分の1にあたる1万1400人が集中している。

事件の現場となった池袋も、暴力団勢力がひしめく一角。暴力団組員は「池袋はオレの街なんだ」と怒鳴っていたという。

捜査関係者は「暴力団排除の社会的な流れのなかで、どの暴力団にとってもささいなトラブルはご法度になってはいる」とするが、暴力団は暴力団。大学生3人は店員の誘導でその場から逃れて事なきを得たが、「けががなかったのは、たまたま」と捜査関係者は分析する。

逃れていなければ、どうなっていたか。

店からの通報で池袋署員が駆けつけた際に、テーブルに刃渡り20センチの調理ばさみが突き立てられていたことが、暴力団組員の凶暴性を何よりも雄弁に物語っている。

参照元 : 産経新聞




0 件のコメント:

コメントを投稿