2017年4月5日水曜日

【画期的判決】暴力団のみかじめ料(用心棒代)は不法行為と認定

<暴力団みかじめ料>不法行為と認定、弁護団「画期的判決」

2017年3月31日 22時12分



指定暴力団山口組弘道会(名古屋市)の傘下暴力団にみかじめ料(用心棒代)を払っていた元飲食店経営の女性が、この傘下暴力団の組長と山口組トップの篠田建市(通称・司忍)組長に2258万円の賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁(加島滋人裁判長)は31日、連帯して1878万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

この判決はみかじめ料の要求を不法行為と認定し、ピラミッド構造の指定暴力団トップの使用者責任も認めた。明白な暴行・脅迫がなくても「威力を利用した資金獲得活動」と判断した上、暴力団の重要な資金源で賠償責任を指摘し、国内最大の暴力団トップに賠償を命じた影響は大きい。

原告側弁護団長の田中清隆弁護士は記者会見で「暴力団の本質に迫り、不法な資金源の構造にも踏み込んだ画期的な判決だ」と評価した。弁護団によると、みかじめ料の返還を命じた判決は2件あるが、いすれも慰謝料や使用者責任は求めていなかった。

暴力団による被害では末端の組員に賠償が命じられても資金力に乏しく支払われないことがある。このため幹部の使用者責任を追及するケースが増えた。最高裁は2004年、山口組傘下の組員に抗争相手と間違われて射殺された警察官の遺族の賠償請求訴訟で、当時の山口組組長に使用者責任があるとの初判断を示している。今回と同様の訴訟は広島地裁でも起こされ係争中。

暴力団にみかじめ料を取られている飲食店経営者は多いとみられるが、弁護団は「怖くて断れないケースは多く、裁判を起こすとなればよりハードルは高い」と話す。原告の女性は11年施行の愛知県暴力団排除条例で、みかじめ料を支払った側も処罰されることを知り、暴力団との関係を断ち切ったという。田中弁護士は「判決を機に勇気を持って警察や弁護士に相談してほしい」と話した。

参照元 : 毎日新聞


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