2017年4月24日月曜日

金塊取引事件多発の背景には暴力団が絡んでいる?儲けた消費税分をヤクザと業者が折半

「取引の舞台にうってつけ」金塊取引事件が多発、なぜ福岡? 背後に暴力団の売買介在も

2017/4/24(月) 9:43配信



福岡市内で金塊取引に絡む事件が相次いでいる。20日に同市・天神で約3億8400万円が奪われた事件では、会社員男性(29)が金塊の購入資金を銀行から引き出した直後に襲われた。昨年7月にもJR博多駅近くの路上で約6億円相当の金塊が警察官を装った男らに盗まれる事件が起きている。金を巡っては価格高騰に伴い海外からの密輸が急増しており、密輸の拠点とされる東南アジアから近い福岡で売買が横行している、との指摘もある。

金1グラム当たりの平均価格は、2005年が1619円だったが、16年は4396円となり約2・7倍に跳ね上がっている。

金の価格は世界共通で、多くの国は非課税だが、日本では国内に持ち込んだ場合、税関で消費税8%の納付が必要となる。例えば1億円分の金塊を国内に持ち込もうとすると、税関に申告して消費税分の800万円を支払わなくてはいけない。このため密輸品を国内で転売し、消費税分をもうけようとする犯罪グループが後を絶たない。

財務省によると、全国の税関が2015事務年度(15年7月~16年6月)に金密輸で摘発した事件は294件で、統計を取り始めた05事務年度以降、最多だ。

「地理的に近い福岡は取引の舞台としてはうってつけ」

関係者によると、金の取引は現金払いが一般的という。通常、大量の金塊を売る場合は買い取り側に現金を用意してもらうため、事前に取引日時を知らせる必要がある。高額の取引になれば複数人が関わるケースもあり、事前に取引情報が漏れるリスクは高まる。

福岡で事件が相次ぐ背景について、金塊の密輸事情に詳しい男性は「密輸ルートとして挙げられるのが香港、シンガポール、韓国。地理的に近い福岡は取引の舞台としてはうってつけだ」と話す。

格安航空会社(LCC)やフェリーなどを利用すれば、低コストで金塊を運搬できる点を挙げ、「港湾都市として発展した東南アジアの国はおしなべて税関の審査が甘い。密輸グループはこの点を悪用している」と指摘する。

グループは買い付け役、運搬役、転売先の業者を探す仲介役に分かれているといい、この男性は「密輸品をそのまま売れば足がつくので、東京などで加工した上で貴金属店に販売する。事情を知りながら購入する店は多い」と打ち明ける。

また、こうした事件には暴力団が介在するケースも多く、「過去の事件では、もうけた消費税分を暴力団と業者が折半していた」(捜査関係者)という。

別の男性は「たとえ被害に遭っても密輸品のため被害者側が警察に通報することはない。表になっているのはあくまで氷山の一角だ」と話している。

参照元 : 西日本新聞



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