組織を追われた元ヤクザは海外で再起を目指す「裏風俗とケタミンのポン引きで月収数百万」
2017.01.29
1992年、暴対法が施行され、総会屋、地上げ、キリトリなど、いわゆる“民暴”を主な資金源にしていたヤクザは壊滅的なダメージを受けた。その後、04年改正暴対法の施行で使用者責任の追及が可能になり、暴力団組織の弱体化に繋がった。その余波は地方自治体にも波及したことは、歌舞伎町浄化作戦を見ても明らかだ。石原都知事(当時)が「ヤクザはヤクザでしかない!」と声を荒げ、歌舞伎町内に50台もの防犯カメラを設置。資金源となっていたみかじめ料の不支払いを徹底したのだ。
さらに、08年に改正がなされ、使用者責任の範囲が拡大される。そして10年に全国初の暴力団排除条例が福岡で定められると、翌年には全都道府県で施行されるに至った。彼らの銀行は凍結させられ、不動産は借りられないという悲惨な状況。その結果、組を離れる者、解散する組織が多数出るなど昨今の懐事情は厳しくなったといえる。
では、行き場を失った元ヤクザたちはどこに向かうのか――。
次第に、組織には属さない“半グレ”と呼ばれるギャング化した集団が台頭する。組織を追われた元ヤクザのなかには、海外でヤバいシノギに手を染めている輩も……。
異国の地・台湾でポン引きをする元ヤクザ
現在は半グレとして暗躍するA氏と出会ったのは異国の地・台湾の某所。多くの酔客とポン引きで賑わう繁華街付近だ。
台湾は、一部のエリアでは“売春OK”という風俗大国。お持ち帰り前提のKTVと呼ばれるキャバクラをはじめ、本番アリのサウナ、そして141というピンポンマンション(日本では昔のマンヘルにあたる)にピンサロまである。しかし、どの風俗も平均2万円台はするので結構高め……。
そこで、女の子と格安でイチャイチャしたい場合、ポン引きに頼るしかない。およそ1万2千円前後で遊ぶことができる。とはいえ、日本と同じでボッタクリか優良店かは運次第である。
さておき、表向きは完全なカラオケ店。しかし、その実態は……という怪しい店とポン引きが多く集まるのが、A氏と出会ったこのエリアなのである。
「お兄ちゃん、ちょい待ちぃ~や! 日本人やろ!? 女の子でも探してんのかい!?」
そんなポン引きたちのなかで流暢な関西弁。懐にスッと入ってくる柔らかい物腰。どうやら彼は、日本人のようだ。年齢は30代半ばごろ。黒髪短髪に鋭い目つき。彼がカタギではないことは一目瞭然だった。
だが、異国の地で会った同胞。彼がなぜこのような地でポン引きをしているのか。筆者はアウトロー雑誌にも寄稿していたライターである。ネタ元のなかに共通の知人がいることも発覚し、すぐに意気投合。彼の“城”だという店で飲みながら、詳しい話を聞かせてもらえることになったのだ。
A氏の正体はシノギに失敗した元大手組織の幹部
「命は狙われたくないからケジメだけはシッカリとつけてきたで」
A氏が失った小指を見せながらニヤリと笑う。彼の素性は元大手組織の幹部。だが、シノギで下手を打ってしまい、日本にはいられなくなった挙げ句、ツテを辿って台湾に来たのだという。
もちろん、裏ルートのツテ。就いた仕事は、非合法な売春の斡旋業務だった。「慣れない北京語に苦労したよ」とA氏は振り返るが、日本でも風俗店を経営していた経験があり、台湾でも徐々にその頭角を現した。違法ではあるが、今では売春を斡旋するカラオケ店を切り盛りする、一国一城の主だ。
親日国家である台湾には多くの日本企業があり、政府観光局の統計データによると日本人訪問者数は年間160万人を超えると言われる。要するに、その日本人たちを裏風俗へと斡旋するのがA氏の仕事。とはいえ、同じ日本人からぼったくることは絶対にしないのが彼の信条。主にぼったくるターゲットは富裕層の中国人だという。
しかし、そればかりが彼の仕事ではない。そこで見たのは驚愕の出来事だった……。
ケタミンを風俗嬢に売り捌いて大儲け
「じつは、これがいちばん儲かるんや」
そう言って、おもむろに白い粉をサ~っと机の上に引き始めたA氏。キレイな1本線を作ったかと思うと、鼻からズ、ズ、ズ、ズ~ッと一気に吸引したのだ。「コカイン?」と一瞬思ったが、どうやらケタミンらしい。ケタミンとは、麻酔薬である。だが、立派に麻薬指定されており、吸引すると、重力がド~ンと増すような全身の気怠さを感じることが特徴だ。
日本では1999年頃、全身は硬直しているが視界のみは良好という幽体離脱のような感覚「Kホール」に若者たちが夢中になった。このケタミン、本来は動物のゾウにも使用されるほど強力な麻酔薬。死亡者が相次ぎ、社会問題として取り沙汰されることもあった。
そのケタミンが、台湾の風俗嬢に流行っているのだという。A氏が言うにはこうだ。
「日本の風俗嬢でもハマるヤツが続出したんで、台湾でもイケるんちゃうのかなと。そしたら案の定や。ケタミンを使えば、リラックスして寝られるからな。ストレス社会にはもってこいや」
つまり、A氏こそが台湾の風俗嬢にケタミンを蔓延させた張本人だったのだ。
「日本では入手が難しいと言われているケタミンも、台湾では簡単に手に入るんや。主な材料の入手先はマレーシアやで」
日本への密輸も視野に半グレ事業を拡大
こうしてヤクザ組織を追われたあとも半グレとして月に数百万を稼ぎ出し、成功の味をしめたA氏。今後は昔の仲間たちを集め、日本へケタミンを密輸する段取りを進めているそうだ。もちろん、その仲間たちもヤクザではない。“元”ヤクザだ。
要するに、半グレとなった元ヤクザたちは、半ではなく、グレッグレのヤクザとなんら変わりがないのである。たとえ転んでもタダでは起きない姿勢に感心せざるをえないが、秩序がないぶん、ヤクザよりもタチが悪いのではなかろうか。
取り締まれば地下に潜るという無限ループのいたちごっこ。そんな彼らの台頭に恐怖を感じずにはいられない。
<取材・文/チャッキー>
参照元 : 日刊SPA!
日本のヤクザと海外の繋がり
中国、台湾、フィリピンなど。海外組織に詳しい反社会勢力によれば、それらと組んで覚醒剤や拳銃を密輸入しているらしい。
中国や台湾の犯罪組織とつるんで「オレオレ詐欺」もやっている。中国に詐欺グループの拠点を置いて、そこに日本人の「掛け子」を集めて終日、日本にだましの電話を掛けている。 実際に中国で掛け子をやっていた日本人の話では、「中国語をしゃべるボスの指示で1日に500件の電話を掛けさせられた」とか。
2017.01.29
1992年、暴対法が施行され、総会屋、地上げ、キリトリなど、いわゆる“民暴”を主な資金源にしていたヤクザは壊滅的なダメージを受けた。その後、04年改正暴対法の施行で使用者責任の追及が可能になり、暴力団組織の弱体化に繋がった。その余波は地方自治体にも波及したことは、歌舞伎町浄化作戦を見ても明らかだ。石原都知事(当時)が「ヤクザはヤクザでしかない!」と声を荒げ、歌舞伎町内に50台もの防犯カメラを設置。資金源となっていたみかじめ料の不支払いを徹底したのだ。
さらに、08年に改正がなされ、使用者責任の範囲が拡大される。そして10年に全国初の暴力団排除条例が福岡で定められると、翌年には全都道府県で施行されるに至った。彼らの銀行は凍結させられ、不動産は借りられないという悲惨な状況。その結果、組を離れる者、解散する組織が多数出るなど昨今の懐事情は厳しくなったといえる。
では、行き場を失った元ヤクザたちはどこに向かうのか――。
次第に、組織には属さない“半グレ”と呼ばれるギャング化した集団が台頭する。組織を追われた元ヤクザのなかには、海外でヤバいシノギに手を染めている輩も……。
異国の地・台湾でポン引きをする元ヤクザ
現在は半グレとして暗躍するA氏と出会ったのは異国の地・台湾の某所。多くの酔客とポン引きで賑わう繁華街付近だ。
台湾は、一部のエリアでは“売春OK”という風俗大国。お持ち帰り前提のKTVと呼ばれるキャバクラをはじめ、本番アリのサウナ、そして141というピンポンマンション(日本では昔のマンヘルにあたる)にピンサロまである。しかし、どの風俗も平均2万円台はするので結構高め……。
そこで、女の子と格安でイチャイチャしたい場合、ポン引きに頼るしかない。およそ1万2千円前後で遊ぶことができる。とはいえ、日本と同じでボッタクリか優良店かは運次第である。
さておき、表向きは完全なカラオケ店。しかし、その実態は……という怪しい店とポン引きが多く集まるのが、A氏と出会ったこのエリアなのである。
「お兄ちゃん、ちょい待ちぃ~や! 日本人やろ!? 女の子でも探してんのかい!?」
そんなポン引きたちのなかで流暢な関西弁。懐にスッと入ってくる柔らかい物腰。どうやら彼は、日本人のようだ。年齢は30代半ばごろ。黒髪短髪に鋭い目つき。彼がカタギではないことは一目瞭然だった。
だが、異国の地で会った同胞。彼がなぜこのような地でポン引きをしているのか。筆者はアウトロー雑誌にも寄稿していたライターである。ネタ元のなかに共通の知人がいることも発覚し、すぐに意気投合。彼の“城”だという店で飲みながら、詳しい話を聞かせてもらえることになったのだ。
A氏の正体はシノギに失敗した元大手組織の幹部
「命は狙われたくないからケジメだけはシッカリとつけてきたで」
A氏が失った小指を見せながらニヤリと笑う。彼の素性は元大手組織の幹部。だが、シノギで下手を打ってしまい、日本にはいられなくなった挙げ句、ツテを辿って台湾に来たのだという。
もちろん、裏ルートのツテ。就いた仕事は、非合法な売春の斡旋業務だった。「慣れない北京語に苦労したよ」とA氏は振り返るが、日本でも風俗店を経営していた経験があり、台湾でも徐々にその頭角を現した。違法ではあるが、今では売春を斡旋するカラオケ店を切り盛りする、一国一城の主だ。
親日国家である台湾には多くの日本企業があり、政府観光局の統計データによると日本人訪問者数は年間160万人を超えると言われる。要するに、その日本人たちを裏風俗へと斡旋するのがA氏の仕事。とはいえ、同じ日本人からぼったくることは絶対にしないのが彼の信条。主にぼったくるターゲットは富裕層の中国人だという。
しかし、そればかりが彼の仕事ではない。そこで見たのは驚愕の出来事だった……。
ケタミンを風俗嬢に売り捌いて大儲け
「じつは、これがいちばん儲かるんや」
そう言って、おもむろに白い粉をサ~っと机の上に引き始めたA氏。キレイな1本線を作ったかと思うと、鼻からズ、ズ、ズ、ズ~ッと一気に吸引したのだ。「コカイン?」と一瞬思ったが、どうやらケタミンらしい。ケタミンとは、麻酔薬である。だが、立派に麻薬指定されており、吸引すると、重力がド~ンと増すような全身の気怠さを感じることが特徴だ。
日本では1999年頃、全身は硬直しているが視界のみは良好という幽体離脱のような感覚「Kホール」に若者たちが夢中になった。このケタミン、本来は動物のゾウにも使用されるほど強力な麻酔薬。死亡者が相次ぎ、社会問題として取り沙汰されることもあった。
そのケタミンが、台湾の風俗嬢に流行っているのだという。A氏が言うにはこうだ。
「日本の風俗嬢でもハマるヤツが続出したんで、台湾でもイケるんちゃうのかなと。そしたら案の定や。ケタミンを使えば、リラックスして寝られるからな。ストレス社会にはもってこいや」
つまり、A氏こそが台湾の風俗嬢にケタミンを蔓延させた張本人だったのだ。
「日本では入手が難しいと言われているケタミンも、台湾では簡単に手に入るんや。主な材料の入手先はマレーシアやで」
日本への密輸も視野に半グレ事業を拡大
こうしてヤクザ組織を追われたあとも半グレとして月に数百万を稼ぎ出し、成功の味をしめたA氏。今後は昔の仲間たちを集め、日本へケタミンを密輸する段取りを進めているそうだ。もちろん、その仲間たちもヤクザではない。“元”ヤクザだ。
要するに、半グレとなった元ヤクザたちは、半ではなく、グレッグレのヤクザとなんら変わりがないのである。たとえ転んでもタダでは起きない姿勢に感心せざるをえないが、秩序がないぶん、ヤクザよりもタチが悪いのではなかろうか。
取り締まれば地下に潜るという無限ループのいたちごっこ。そんな彼らの台頭に恐怖を感じずにはいられない。
<取材・文/チャッキー>
参照元 : 日刊SPA!
日本のヤクザと海外の繋がり
中国、台湾、フィリピンなど。海外組織に詳しい反社会勢力によれば、それらと組んで覚醒剤や拳銃を密輸入しているらしい。
中国や台湾の犯罪組織とつるんで「オレオレ詐欺」もやっている。中国に詐欺グループの拠点を置いて、そこに日本人の「掛け子」を集めて終日、日本にだましの電話を掛けている。 実際に中国で掛け子をやっていた日本人の話では、「中国語をしゃべるボスの指示で1日に500件の電話を掛けさせられた」とか。
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