2026年1月10日土曜日

特殊詐欺グループJPドラゴンのボス「吉岡竜司」逮捕までの完全ドキュメント

@ロボじろーチャンネル20年以上にわたりフィリピンの裏社会で君臨し続けてきたJPドラゴンの吉岡竜司。特殊詐欺で手にしたのは40億円にものぼるという。これらの金を使って警察や地元の有力者に賄賂をばら撒き莫大な権力を維持してきた。

関係者たちは、逮捕するのは「不可能」とため息混じりに応えるだけ。不法滞在者を取り締まる入国管理局も何度も逮捕に失敗してきた。

ジャーナリストの竹輪次郎の分身、ロボじろーはカメラを持ってフィリピンへ。吉岡竜司を捉えるべく、無謀な戦いに挑んだ。

これは2年以上に及ぶ闘争の記録である。取材の過程は失敗の連続だった。嘘の情報を掴まされ、金を騙し取られ、信頼していた人に騙された。

失敗続きの中、ロボじろーが目標に定めたのは、吉岡竜司の誕生日。家族が集まると狙いを定めて、決死の追跡を行った。特殊詐欺の親玉、大ボスが逮捕されるまでの完全ドキュメント。テレビでも、どこでも見たことがない!究極の追跡劇。


凶悪マフィア「JPドラゴン」のボスを逮捕した五十路ジャーナリストの【渾身ルポ】確保の瞬間、現場で飛び交った「恐ろしすぎる怒号」

2025.07.31


ターゲットは吉岡の誕生日 貧乏ジャーナリストにとってフィリピンへの渡航費は大きい。それだけに、ミッションが失敗に終わったことは痛かった。しかし帰国間際に、信頼できる情報源からこんな話が舞い込む。

「竹輪さん、来月は吉岡の誕生日です。フィリピンでは誕生日は特別。必ずパーティを開くはずです」 諦めるのはまだ早い。筆者は次の狙いを6月4日、吉岡の誕生日に定め、再びフィリピンへ向かった。

誕生日前日の6月3日、前回同様、ジョンとともにレミを尾行した。レミが向かったのは、マニラから北に車で2時間、パンパンガ州アンヘレスという中規模都市だ。

レミは郊外の安ホテルに車を停めた。ホテルの前で張り込んでいると、別の車で幼い子供を連れた吉岡のフィリピン人妻、家政婦などが続々と現れた。

本当に誕生パーティがあるようだ。一気に緊張感が高まる。

初めて見るボスの姿
吉岡本人の姿は確認できなかったが、ファミリーの部屋はわかった。筆者はホテルのフロントで、自分の部屋も予約。フロントのPCを覗くと、吉岡ファミリーが6月7日まで予約を取っていることもわかった。

夜7時すぎ、吉岡ファミリーがホテルから出てきた。近所の韓国料理店に入っていく。店の前で張り込みを続けて1時間半、まず、吉岡の妻が姿を見せた。余談だが、吉岡はグラマラスな女性が好みのため、発見がしやすい。

妻に続いて、レミと小学生の娘も店を出てきた。そして最後に、黒のTシャツを着た吉岡が現れた。2年以上追いかけて、初めて見る姿だった。

明日、誕生日当日はより大きなパーティがあるはずだ。私は吉岡を発見したことを、信頼できるフィリピンの捜査関係者・X氏に伝えた。

翌朝は午前7時から張り込みをスタート。ホテル周辺には、X氏が派遣したであろう捜査員の姿もある。

吉岡のドライバーが、単独で郊外のリゾート施設へ向かった。屋外に食事スペースがあり、プールも併設。ここが、誕生パーティの会場だろう。

著しく高い危険察知力
しかし夕方になっても、吉岡ファミリーに動きはない。捜査情報が漏れたのか……不安に駆られ、X氏が以前語っていた言葉を思い出す。

「吉岡は危機察知能力が著しく高い。簡単には捕まらないだろう」

午後5時を過ぎたとき、怖がりのジョンがこんな提案をしてきた。

「リゾート施設の中に入って、予約があるか聞いてきます」

ジョンが受付で話を聞いている間、筆者は望遠カメラで周囲を見渡した。すると、黒いTシャツの男が……間違いない、吉岡だ。吉岡の写真を撮ってX氏に送信した。そのとき、ちょうどジョンも戻ってきて、こう言った。

「パーティは夜から翌朝までの予定だそうです!」

誕生パーティでの逮捕劇

吉岡の誕生パーティは午後8時すぎにスタートした。家族のほかに友人も多く招かれていた。その裏で、リゾート施設周辺では、入管職員や国家警察が静かに待機。そして午後9時50分、捜査員がパーティ会場に踏み込んだ。

突然の逮捕劇に参加者は騒然とし、家族は泣き崩れている。筆者は捜査員とともに、吉岡に近づいた。

180センチ以上ある吉岡だが、椅子に大人しく腰かけている姿は小さく見えた。

「吉岡さん!」

捜査員に確保された吉岡に、筆者がカメラを手に声をかける。吉岡は激昂した。

「お前、何で撮るんや!」

レミ、そしてレミの兄も迫ってきた。

「カメラを出せ! メモリを消せ!」

空き缶が筆者の近くを飛び、パーティの参加者たちもいきり立っている。これ以上の取材は危険と判断し、現場を離れた。直後、X氏の部下から連絡があった。

「協力ありがとう。お前の命が危ない。今すぐアンヘレスから去れ」

ホテルから荷物を取って、急いで撤収。念のため非常口から出たので、エントランスで待ち構えていたレミとは遭遇せずに済んだ。

本稿執筆の7月15日時点で、吉岡はフィリピンの入管施設に収容されており、強制送還への準備が進められている。

ルフィの黒幕と言われ、フィリピンで悪行を尽くしたマフィアのボスは、日本の法廷で何を語るのか。最後まで、見届けたい。

「週刊現代」2025年08月04日号より

参照元 : 週刊現代













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