「新たなシノギ」に群がった半グレ・暴力団… 関係者証言から事件構図明らかに
2018/4/2(月) 10:00配信
平成28年5月に17都府県のコンビニエンスストアの現金自動預払機(ATM)で18億円超が不正に引き出された事件は、警察当局が準暴力団「関東連合」元メンバーの40代の男を指名手配するなど、発生から2年を前に真相解明に向けて大きく動き出している。捜査関係者によると、男は一連の犯行の計画・実行で主導的な役割を果たした疑いがあるという。この事件の真相はどのようなものなのか-。関係者の証言などから浮かび上がるのは、いわゆる「半グレ」や暴力団が手を取り合い、地下経済の「新たなシノギ」に群がった構図だ。
■裏社会でノウハウ拡散
事件は28年5月15日早朝に発生。全国のコンビニなどに設置された約1700台のATMから、たった数時間のうちに計18億円超がいっせいに不正引き出されたのだ。
この事件では、南アフリカ・スタンダード銀行のシステムがサイバー攻撃を受け、クレジットカードの顧客情報が流出。犯行グループは流出したカード情報を何らかの方法で入手し、偽造カードを大量に作成した疑いが指摘されている。
各都道府県の警察当局はこれまでに、引き出しを行った「出し子」らを数十人規模で逮捕してきたが、犯行の中心を担った人物は特定できていなかった。
しかし今年2月、事件は大きく動いた。千葉県警が40代の男の逮捕状を取り、全国に指名手配したことが判明したのだ。
捜査関係者によると、この男は準暴力団「関東連合」元メンバーで、顧客情報の入手や犯行計画の立案など事件で主導的な役割を果たしていたとみられる。さらにこの男は、24年9月に東京・六本木のクラブで飲食店経営の男性=当時(31)=が殺害された事件の主犯格として国際手配中の同組織元メンバー、見立真一容疑者(39)とも親交があるという。芸能事務所代表などを務めていた一方で、山口組の中核を担う2次団体「弘道会」と関係が深く、振り込め詐欺などを行う犯罪グループとの接触もあったとされる。
捜査幹部は「男が周囲の暴力団関係者や不良仲間に『新たなシノギ』として(ATM不正引き出しの)話を持ち込み、裏社会のネットワークを通じて広まり、“参加希望者”が増えていった疑いがある」と話す。
■手法マニュアル化
実際、ある暴力団関係者は取材に、「事件発生直前の28年4月下旬から5月上旬にかけ、無料通信アプリ『LINE(ライン)』などを通じ、複数の暴力団組員らに犯行への参加を呼びかけるメッセージが届いていた」と証言する。
この関係者によると、犯行に際して「出し子」やメンバーをまとめる「指示役」など数人程度の小規模なグループが作られ、多数のグループがそれぞれ動いた。ただ、手口は共通で、出し子に対しては1枚ごとに4桁の暗証番号が書かれた偽造カードの束が渡されていたとされる。また、「指示役」は引き出しの手順などを出し子にレクチャーしていたという。
この関係者は「手法は巧妙にマニュアル化されていた。1枚の引き出し額の上限は10万~60万円で、1回ごとの引き出し額は1万円、2万円、10万円の単位で行うよう指示されていた。カード1枚につき、いくら引き出すかは出し子の判断に委ねられていたようだ」と話している。
■身分で報酬変動
警察当局のこれまでの調べでは、不正引き出しの実行犯が手にした報酬は、犯行で果たした役割の大きさや“闇社会での身分”によって異なっていたとされている。
暴力団関係者も「暴力団員の『出し子』は引き出し額の10%程度を受け取っていたようだが、暴力団員ではない他の仲間の報酬はその半分以下だったようだ」と話す。報酬が支払われなかったり、わずか数万円しか受け取れなかったりした者もいたという。
2月26日には、福岡、千葉県警など5県警が、事件の計画に組織的に関わった疑いがあるとして、山口組総本部(神戸市灘区)や弘道会本部(名古屋市中村区)など5カ所を捜索しており、捜査は大詰めとも呼べる状況となっている。
ある捜査幹部は「不正に引き出されたカネは暴力団の資金源になった疑いが強い。早期の実態解明が急務だ」と危機感を募らせており、全国手配された40代の男の追跡に全力を挙げる決意を示した。
参照元 : 産経新聞
2018/4/2(月) 10:00配信
平成28年5月に17都府県のコンビニエンスストアの現金自動預払機(ATM)で18億円超が不正に引き出された事件は、警察当局が準暴力団「関東連合」元メンバーの40代の男を指名手配するなど、発生から2年を前に真相解明に向けて大きく動き出している。捜査関係者によると、男は一連の犯行の計画・実行で主導的な役割を果たした疑いがあるという。この事件の真相はどのようなものなのか-。関係者の証言などから浮かび上がるのは、いわゆる「半グレ」や暴力団が手を取り合い、地下経済の「新たなシノギ」に群がった構図だ。
■裏社会でノウハウ拡散
事件は28年5月15日早朝に発生。全国のコンビニなどに設置された約1700台のATMから、たった数時間のうちに計18億円超がいっせいに不正引き出されたのだ。
この事件では、南アフリカ・スタンダード銀行のシステムがサイバー攻撃を受け、クレジットカードの顧客情報が流出。犯行グループは流出したカード情報を何らかの方法で入手し、偽造カードを大量に作成した疑いが指摘されている。
各都道府県の警察当局はこれまでに、引き出しを行った「出し子」らを数十人規模で逮捕してきたが、犯行の中心を担った人物は特定できていなかった。
しかし今年2月、事件は大きく動いた。千葉県警が40代の男の逮捕状を取り、全国に指名手配したことが判明したのだ。
捜査関係者によると、この男は準暴力団「関東連合」元メンバーで、顧客情報の入手や犯行計画の立案など事件で主導的な役割を果たしていたとみられる。さらにこの男は、24年9月に東京・六本木のクラブで飲食店経営の男性=当時(31)=が殺害された事件の主犯格として国際手配中の同組織元メンバー、見立真一容疑者(39)とも親交があるという。芸能事務所代表などを務めていた一方で、山口組の中核を担う2次団体「弘道会」と関係が深く、振り込め詐欺などを行う犯罪グループとの接触もあったとされる。
捜査幹部は「男が周囲の暴力団関係者や不良仲間に『新たなシノギ』として(ATM不正引き出しの)話を持ち込み、裏社会のネットワークを通じて広まり、“参加希望者”が増えていった疑いがある」と話す。
■手法マニュアル化
実際、ある暴力団関係者は取材に、「事件発生直前の28年4月下旬から5月上旬にかけ、無料通信アプリ『LINE(ライン)』などを通じ、複数の暴力団組員らに犯行への参加を呼びかけるメッセージが届いていた」と証言する。
この関係者によると、犯行に際して「出し子」やメンバーをまとめる「指示役」など数人程度の小規模なグループが作られ、多数のグループがそれぞれ動いた。ただ、手口は共通で、出し子に対しては1枚ごとに4桁の暗証番号が書かれた偽造カードの束が渡されていたとされる。また、「指示役」は引き出しの手順などを出し子にレクチャーしていたという。
この関係者は「手法は巧妙にマニュアル化されていた。1枚の引き出し額の上限は10万~60万円で、1回ごとの引き出し額は1万円、2万円、10万円の単位で行うよう指示されていた。カード1枚につき、いくら引き出すかは出し子の判断に委ねられていたようだ」と話している。
■身分で報酬変動
警察当局のこれまでの調べでは、不正引き出しの実行犯が手にした報酬は、犯行で果たした役割の大きさや“闇社会での身分”によって異なっていたとされている。
暴力団関係者も「暴力団員の『出し子』は引き出し額の10%程度を受け取っていたようだが、暴力団員ではない他の仲間の報酬はその半分以下だったようだ」と話す。報酬が支払われなかったり、わずか数万円しか受け取れなかったりした者もいたという。
2月26日には、福岡、千葉県警など5県警が、事件の計画に組織的に関わった疑いがあるとして、山口組総本部(神戸市灘区)や弘道会本部(名古屋市中村区)など5カ所を捜索しており、捜査は大詰めとも呼べる状況となっている。
ある捜査幹部は「不正に引き出されたカネは暴力団の資金源になった疑いが強い。早期の実態解明が急務だ」と危機感を募らせており、全国手配された40代の男の追跡に全力を挙げる決意を示した。
参照元 : 産経新聞
「新たなシノギ」に群がった半グレ・暴力団… 関係者証言から事件構図明らかに https://t.co/srH75m2oBN 以前より産経は闇金に代わる新たなシノギとして「特殊詐欺(オレオレや金融機関を騙ったもの)」が増えたと指摘。日本人のお人好しさに付け込んだ犯罪。ヤクザって本当は何処の国の奴らかね?— 藤宮果音@カレーが大好きなフレンズ (@kanonfujimiya) 2018年4月2日
— osamu@2018/D.J E (@osamuracing01) 2018年4月2日
0 件のコメント:
コメントを投稿