2017年6月1日木曜日

警察当局は、神戸山口組の一部傘下組織が「任侠団体山口組」設立表明したのを、分裂ではなく内紛とみて実態把握に向け情報収集強化

警戒続く神戸山口組「内紛」=抗争懸念、情報収集を強化―離脱表明1カ月・警察当局

2017/5/29(月) 7:02配信

指定暴力団神戸山口組(兵庫県淡路市)の一部傘下組織が、新組織「任侠(にんきょう)団体山口組」の設立を表明し、山口組を名乗る組織が三つになってから30日で1カ月になる。

警察当局は現時点で分裂ではなく「内紛」とみているが、衝突事件も発生。実態の把握に向け情報収集を強化するとともに警戒を続けている。

神戸山口組は2015年8月、指定暴力団山口組(神戸市)から分裂。両組織は衝突を繰り返し、警察庁によると「対立抗争状態」にあると認定した昨年3月7日以降、抗争の可能性のある事件は47件発生し、うち30件で検挙している。

神戸山口組の分裂騒動に対し、山口組は静観の立場をとっているとみられ、捜査関係者は「自分から動かなくても、敵が自滅してくれれば漁夫の利を得られるからだろう」と話す。その上で「(今回の分裂騒動で)山口組がさらに勢力を拡大する恐れがあり警戒が必要だ」と指摘する。

警察庁の坂口正芳長官は今月15日、山口組を事実上支配する弘道会本部がある名古屋市を視察。愛知県警本部で「情勢は複雑化流動化しており、今後の見通しは予断を許さない」と述べ、情報収集や取り締まりの徹底を指示した。

捜査関係者によると、新組織設立の背景には、神戸山口組組長への不満や跡目争いがあるとみられるが、情勢は流動的で、新組織に参加後に再び残留に転じる動きもあるという。

また4月30日未明には、神戸市中央区の路上で、離脱派と残留派による顔面を殴り合う暴行事件が発生。5月6日未明にも離脱派の50代の男性が、残留派とみられる数人から暴行を受け負傷する事件が起きた。

警察当局は新組織を「分裂」と認定しておらず、暴力団対策法の規制対象としている。「分裂」と認定すると「任侠団体山口組」は同法で規制される指定暴力団から外れ、新たに指定するために必要な証拠を集めなければならない。

暴対法で指定暴力団に指定するには、組長などの代表者を頂点にした階層的な組織などの要件が必要だが、任侠団体山口組は「組長は空席」「皆が平等」などとしており、指定逃れではないかとの見方もある。

抗争が激化すれば、より厳しい制限のかかる暴対法の「特定抗争指定暴力団」に指定される可能性もある。

参照元 : 時事通信


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