2018年3月28日水曜日

表に出ていないが、暴力団による"みかじめ料"の要求・授受は実際相当あるとみられる

暴力団みかじめ料、今も横行/大幅減少の一方潜在化、青森県警対策強化へ

2018/3/26(月) 12:01配信



警察当局の取り締まり強化などを受け、全国的に縮小している暴力団勢力。青森県でも、県民の暴力団排除の意識の高まりを背景に2005年から減少し続け、17年末現在、最も多かった時期の1割近くにまで減っている。一方、依然陰に隠れているとみられる「みかじめ料」の受け渡しについては、他県に比べて取り締まり態勢が手厚いとは言えず摘発件数が伸びていない。県警はみかじめ料の摘発増へ対策強化を検討している。

暴力団排除の動きは1992年の暴力団対策法の施行以来、全国的に拡大。2011年までに全都道府県で暴力団排除条例が施行された。暴力団員たちは、資金を集める「シノギ」を思うようにできず組織も年々弱体化。警察庁のデータによると、全国の暴力団勢力は最近10年間で半減した。

青森県でも11年7月、暴力団を利用・支援する目的で金品を渡すことなどを禁じた県暴力団排除条例が施行。暴力団勢力は17年末現在で220人、ピークだった1963年末の約1800人の約12%まで縮小した。

「表に出ていないが、暴力団によるみかじめ料の要求・授受は実際相当あるとみられる」。捜査関係者はこう語気を強める。県内のある飲食店経営者は「うちの店の近くでも、暴力団に金品を渡している店は多いと聞く」と証言した。

捜査関係者によると、みかじめ料は暴力団員が月1回程度定期的に店舗などを回り、1件当たり数万円を回収するケースが多い。

ただ現状では、1回の授受だけでは摘発できない。現在、みかじめ料を要求した暴力団員に対しては暴力団対策法に基づき、公安委員会が行政処分である「中止命令」を出すことしかできない。中止命令に従わず再度要求した際に初めて命令違反で摘発できる。

県警によると、最近5年間でみかじめ料の要求行為に対する中止命令はわずか2件。今年2月、みかじめ料を脅し取ろうとしたとして、弘前署が刑法の恐喝未遂容疑を適用し暴力団員の男を逮捕したが、みかじめ料を巡る暴力団員の逮捕は2012年12月以来で、ここ10年では3件目だった。

みかじめ料の要求・授受が表面化しない背景には、金品を渡した事業者側が▽報復を恐れて言い出せない▽勧告の行政処分を受けたくないため申告しない▽悪いという認識を持っていない-ことなどが考えられる。

全国には、みかじめ料などの授受1回で罰することができる条例を制定した道府県や市がいくつかある。中にはみかじめ料などを支払った事業者が、自ら警察に申告すれば罰則が軽くなる条項を設けている県も。2017年7月に条例改正により取り締まりを強化した北海道警によると、改正以降4人を摘発したという。

県警は今後、同様の条例制定も視野に入れ、取り締まり強化策を探る方針。県警組織犯罪対策課は「暴力団の資金源になる不当な金品は絶対に渡してはいけない。みかじめ料や用心棒代は、暴力団の主要な資金源の一つ。授受に関する情報を聞いたら相談してほしい」と呼び掛けている。

参照元 : Web東奥

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