2016年12月19日月曜日

【山口組分裂騒動】別れた両団体が13日、そろって年末年始の行事を開き、来年の組指針を発表

分裂山口組、それぞれの指針に“異変” 長引く対立抗争の影響が色濃く反映

2016/12/16(金) 16:56配信



指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区、篠田建市=通称・司忍=6代目組長)と離脱派が結成した指定暴力団神戸山口組(本部・兵庫県淡路市、井上邦雄組長)が13日、そろって年末年始の行事を開き、来年の組指針を発表した。6代目は「和親合一(わしんごういつ)」で、神戸は「風霜尽瘁(ふうそうじんすい)」。組織分裂から間もなく1年4カ月。2つの山口組の指針には長引く対立抗争状態の影響が色濃く反映されている。

総本部に直系組長を集めて暴力団社会の新年行事「事始め式」を開催した6代目側が示した来年の組指針は「和親合一」だった。

指針は、山口組を国内最大の勢力に拡大させた田岡一雄3代目組長時代に制定された5カ条の組織運営の基本理念「山口組綱領」の第1条「内を固むるに和親合一を最も尊ぶ」から抜粋されており、組織の団結を強化するのが狙いとみられる。

6代目側関係者によると、和親合一は田岡3代目組長が最も好んだ言葉だといい、綱領は定例会などで唱和されている。

神戸側が昨年8月末の結成時の他の暴力団へのあいさつ状で「歴代親分の意を順守するため離脱した」と記していたため、6代目側が改めて神戸側の主張を退け、組織の正統性を示す意図もあるとみられる。

一方、神戸側が本部に直系組長を集めて開いた「納会」で発表された組指針は「風霜尽瘁」だった。出典は不明だが、「風霜」には「きびしくはげしい苦難」(広辞苑)、「尽瘁」には「一所懸命に力を尽くして労苦すること」(同)の意味がそれぞれあり、「苦難に力を尽くしていく」との思いが込められた造語とみられる。

昨年8月末の分裂以降、両組織がからんだ対立事件は全国で約90件発生。今年5月には岡山市で神戸側の直系組織の幹部が射殺されたほか、10月には和歌山市でも幹部が暴行され、死亡した。神戸側は暴力団対策法に基づき厳しい規制対象となる指定暴力団にもスピード指定されている。

神戸側関係者によると、本来「事始め式」を行う予定だったが、幹部が射殺されたことから「納会」にとどめ、今月新たに直系組長に加わった組長らの「盃事」も行われたという。

元山口組関係者は「6代目側は指針をあえて綱領から抜粋した。山口組を大きくした3代目組長時代に回帰し、組織の正統性を内外に示そうとする強い狙いがあるのではないか。神戸側の指針は、分裂の正統性と組織の発展を主張した今年の組方針『継往開来(けいおうかいらい)』から一転し、厳しい警察当局の取り締まりなどに耐え、組織運営を図ろうとする意志が伝わる」と分析している。

参照元 : 夕刊フジ



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