2018年12月30日日曜日

大阪の半グレ集団、逮捕されなかったメンバーたちはミナミかた北に拠点を移し活動

【特集】拠点を移しミナミからキタに!?半グレ集団の残党が活動か

2018/12/28(金) 14:30配信

暴力団に属さない新興の組織犯罪集団「半グレ」。大阪府警は12月、大阪・ミナミを拠点とする最大規模の半グレ集団のメンバー49人を逮捕しました。しかし、逮捕されなかったメンバーたちは今も活動を続けているようです。



「アビスグループ」メンバー49人逮捕
今年8月、大阪府警はミナミの繁華街に約200人の捜査員を投入。大阪で最大規模の半グレ集団「アビスグループ」の壊滅に向けた捜索に乗り出した。このあと、アビスグループのメンバー・岩尾奏良被告(20)やリーダーの当時19歳の男、ナンバー2の野口直人被告(20)らが傷害や暴行などの罪で逮捕・起訴された。アビスグループは約3年前に暴走族出身のリーダーが結成し男女100人以上ものメンバーを擁していたが、これまでにあわせて49人が逮捕された。

警察が取り締まりを強化している「半グレ」は、一般人と暴力団員の中間的な存在で「グレーゾーン」や「グレる」といった言葉から派生したものだとされる。



「(半グレの)一番の特色は暴力団に籍を置かないということ。暴力団対策法も暴力団排除条例も適用されない、法的な扱いとしては一般人と何ら変わらない」(ノンフィクション作家 溝口敦氏)

アビスグループはミナミなどで17のガールズバーを経営し、毎月5000万円以上を売り上げていたという。そして、高額の代金を請求し支払いを拒んだ客を暴行して重傷を負わせるなどの事件を度々起こした。「ぼったくりに遭った」という警察への相談は、今年10月までの1年間で約150件に上っている。

ミナミの街に変化は?
最盛期には10万人を超えていた暴力団組員も、今や約3万4500人と減少の一途をたどっている。暴力団対策法や暴力団排除条例という包囲網により、資金源の確保が難しくなったからだ。暴力団の衰退とともに勢力を拡大してきた半グレ。アビスグループは11月に警察に解散届を提出したが、ミナミの街に変化はあったのだろうか?道頓堀で話を聞いてみると…

「安心しますよね。変なお店で飲まなくてすめば、僕らも安心して飲めるので」(会社員の男性2人)

Q.夏ごろの戎橋の様子は?
「あー多かったですよね、客引き。今いないんかな?ほんまやな!」

Q.アビスグループが摘発されて変わった?
「変わりましたね、とりあえずは穏やかになったというか。脅迫みたいな…しばくぞ、殴るぞ、殺すぞと最初のころは言われてましたけど。警察が頑張って動いてくれたので、本当にほっとはしています」(警備員の男性) 「よくお客さんは言っていた、やっぱりミナミでは飲みたくない、ガールズバーとかそんなんは。あれ(アビス)がいなくなってキャッチ(客引き)も少なくなってきたのかなとは思うので、飲食店からしたらまだやりやすい環境になったのかな」(飲食店の店長)



梅田周辺でアビス系の残党が客引き!?
しかし警察によると、今回の摘発を受け、アビスグループの残党が新たな動きを見せているという。逮捕を逃れたメンバーたちが拠点をミナミからキタに移して活動を再開しているというのだ。キタの繁華街に詳しい男性も、彼らが梅田周辺でガールズバーの営業を始めていると話す。

「出没しだしたのが10月頭ぐらい。ミナミからこちら(キタ)に流れてきたという話は、ミナミの知り合いからも聞いています。最初(飲み放題)1時間3000円ぐらいで入って、よく聞くのが(支払いが)10万円まで。多いお客さんで20~30万円」(キタの繁華街に詳しい男性)

キタでも「ぼったくり」を繰り返しているという。彼らがよく客引きをしているという場所へ男性と一緒に行ってみると、そこでは…

「(路上にいる女性は)これ完全にキャッチですね」(キタの繁華街に詳しい男性)

Q.いわゆるアビス系の残党?
「はい、間違いないです」

男性によると、客引きをする女性はアビスグループの元メンバーだという。

「(女性が)今から声をかけにいきますよ、頻繁に声をかけますからね。数打てば当たるの世界で」(キタの繁華街に詳しい男性)



そして、午後11時を回ると…

「アビス系ですね、(路上に)結構いますね。5人ぐらいいますね、全部同じグループです」(キタの繁華街に詳しい男性)

すると、女性が2人組の男性に話しかけた。しばらく様子を見ていると…

(記者)「あっ、(女性と男性が)じゃんけんをしています」
(男性)「始まりましたね」
(記者)「女の子が勝ちました」
(男性)「こうやって負けて腕組まれたら終わりですわ、引っ張られるだけですわ」

そして、女性は男性客の眼鏡をはずし、自分の頭にのせた。

「こうやってどんどん相手の話術にはまって、このまま店に行きましょうってなってくる」

結局、男性は女性とともにガールズバーへと向かった。

「古いのが消え新しいのが出る」元半グレ幹部が語る
さらに取材を進めると、ミナミでアビスグループと対立していた半グレ集団「O7(アウトセブン)」の元幹部に話を聞くことができた。このグループも準暴力団の指定を受けたため、12月になって解散届を提出している。

Q.なぜ、半グレは暴力団に属さずに活動する?
「ヤクザをやっぱりやりたくはないですよね。今のご時世しんどいからちゃいます?暴対法厳しいし。逆に暴対法なかったらみんなヤクザやってると思うしね。お金儲けできないからでしょ、すぐ懲役いくし。そういうご時世でヤクザやりたくないって思う人間が多いんじゃないですか、今の不良でも」(半グレ集団「O7」元幹部)

では、暴力団との接点についてはどうなのだろうか?

「(暴力団との)付き合いはみんなあると思う。盛り代(みかじめ料)とか払ってませんって言っているけど、大半払っていると思う。切っても切れないっていうのが今の現状なので、暴力団も生き残っているわけだし、付き合いはあるのはあります」(半グレ集団「O7」元幹部)

アビスとO7(アウトセブン)という2つの大きなグループが解散届を出したことでミナミの街は変わるか?と聞いてみると…

「“いたちごっこ”ちゃいます?古いのが消えていって新しいのが出てくる。ヤクザやりたくなくて、でも不良したいってミナミ出てきて、それがたまたま半グレになって。僕らがフィールドアウト(退場)したところで、『あ、消えた!次は俺らの時代や』っていってまた新しい子が出てくると思うので、当分なくならないと思う、そういう人たちって」(半グレ集団「O7」元幹部)

摘発を受けてもなお、場所や名前を変えて密かに活動を続ける「半グレ」。警察との“いたちごっこ”がしばらく続きそうだ。

参照元 : MBSニュース


暴力団の下請け化する半グレ集団 警察が敷く包囲網

2018/12/30(日) 16:00配信



半グレ集団「関東連合」は2012年に発生した六本木クラブ襲撃事件をきっかけに縮小し事実上の消滅状態となり、怒羅権(ドラゴン)など複数の集団が2013年に「準暴力団」に指定された。そして2018年12月、大阪府最大の半グレグループ「アビス」は約半数のメンバーが逮捕、送検されて壊滅状態に追い込まれている。取り締まりが厳しくなるなか、変質した半グレ集団について、ライターの森鷹久氏がレポートする。

大阪・ミナミの繁華街を拠点に活動する半グレ集団「アビス」のメンバーら男女55人が検挙された事件。アビスは大阪市内を中心に複数のガールズバーなどを経営し、客を脅して法外な飲食料金を請求する「ぼったくり」をしたり、対立する半グレ集団が経営するガールズバーに金属バッドなど武器を持って襲撃するなどしていたという。

「半グレ」とは、暴力団に所属はしていないが犯罪などを繰り返す反社会的勢力の事を指す。2000年代中盤から、全国の自治体で暴力団排除条例が施行されると、まさに「暴力団の代わり」といった存在感で、各地の繁華街、裏社会にその勢力を拡大し続けた。だが、半グレ集団の暴力的な面や、目に余る反社会的行為が重ねられるに従って社会問題として捉えられるようになり、彼らが力をつけるたびに警察が取り締まりを強めて叩く、ということが繰り返されてきた。

これまで、警察は何度も半グレ集団に対する壊滅作戦を行ってきた。しかし、ひとつを叩き潰すと、また別の形ですぐに集団がつくられる、といった繰り返しになりつつある。暴力団と警察当局の関係も同様で、長年まるでモグラ叩きのようなやり合いを展開してきたわけだが、それでも半グレは、やはり暴力団とは異なる存在であった。

しかし、今回の大阪の事件を受けて、かつて関西最大の半グレ組織「強者(つわもの)」に所属していた経験のある元メンバーの・X氏は、半グレは「暴力団そのものになった」と話す。

「俺たちが(半グレ集団)やってた頃も、組(暴力団)との付き合いがなかったわけではないです。いろんな地域から集まったやんちゃな奴らの集合体って感じで、それぞれに、兄貴分的な組の人間がいたりすることはありましたが…。アビスの連中は完全に“組の人間”じゃないですか? もはや半グレではない、完全にヤクザ」(強者元メンバー・X氏)

X氏によれば、かつて半グレ集団の「シノギ」といえば、違法ドラッグや偽ブランド品の売買であったり、今回逮捕された事案と同様に、脱法的な飲食店経営などであり、一見するとヤクザがこれまでやってきたシノギと、傍から見ればあまり変わりはなかった。しかし「内部事情」は、ヤクザや最近の半グレの事情とはかなり異なっていたという。

「元々ヤクザが嫌だ、という理由で集まったメンバーが多かった。ヤクザなんかやってても規制だらけで、オマワリにもすぐに目を付けられる。だったら、組なんかに入らず自由にやれる方がいいや、って。シノギをやるにあたって、ヤクザもんと付き合うこともありましたが、一時的な礼金の支払いはあっても定期的に支払うバックとか上納金はない。支払えと言われれば、武闘派のメンバーが必ず“話し合い”をした。これは本当に話し合いなんですよ…」(X氏)

強者は半グレ集団であると同時に、地下格闘技大会の看板も背負っていた。武闘派メンバーらは、大阪でナンバーワンの人気を誇っていた地下格闘技大会「強者」をはじめ、東京、名古屋、そして福岡などで開催される地下格闘技大会に出場し、その名をとどろかせていた。この功績こそが、相手がヤクザですら決して引かないという、強い半グレ集団の証明でもあった。さらに、当時の半グレ集団には「ファッション性」があった点も見逃せない。福岡市内の半グレ組織メンバーだったY氏が説明する。

「いろいろヤンチャしてきて、これまでならヤクザになっとったでしょうね。でも当番とか下っ端の仕事もせないかんし、いっちょん(全然)儲からん。先輩のヤクザは、上に金納めるためにドカタして生活保護もらいよったです…。ヤクザは“ダサい”ってなるでしょ。半グレは、洋服もカッコよかブランドもん着て、格闘技の試合に出れば人気も出るし、インスタらFacebookで自慢できる。雑誌に出たり、イベントのゲストに呼ばれてギャラ貰って…。まあ悪さもしますけど、表ツラはかっこよかですよ」(Y氏)

要するに、本来であればヤクザになっていたという人種が、ヤクザイメージの崩壊、そして半グレ人たちがやたらとアピールしてきた「ファッション性」の訴求が功を奏してか、半グレにあこがれを抱いたり、半グレ集団に合流していったのである。しかし、メンバーが暴行や傷害容疑で相次いで検挙されると、大阪最強とされた「強者」も解散に追い込まれた。大手紙の大阪社会部に勤務していた記者が回顧する。

「強者が解散し、他の半グレ集団も活動縮小。ある意味での“暴力団回帰”が始まるのかと噂されていましたが、結局新興の半グレ集団が跋扈しただけ。ただしこの半グレ集団、少し調べてみると以前よりも暴力団との結びつきが強く、ほとんど暴力団そのもの。かつての半グレのように、カリスマ性のあるリーダーや名うてのメンバーがいるわけでもない。仕切っているのはヤメ暴力団員、(暴対法における指定暴力団の構成員)名簿には名を連ねていないが実質的には暴力団に入っているというヤブヤクザ。今回の事件は、完全に暴力団の下請けに成り下がった半グレと、その取り巻きが起こしたという事件です」(大手紙大阪社会部元記者)

これでは、半グレを解散させたことによって、暴力団のアウトソーシング化、下請け化、はたまた派遣化が進んだだけではないか。

1992年に施行された暴対法の影響で、指定暴力団は以前のような経済活動ができなくなった。繁華街の飲食店に対して要求していた「みかじめ料」「用心棒代」請求など、かつては当たり前に暴力を行使して行ってきた活動が、法で禁じられたのだ。その後、2000年代半ばから全国各地の自治体でも同様の条例が定められていったため、一般社会と関わることすら難しくなった。その結果、直接的な収入源を断たれた暴力団は、その活動を半グレなどに委託する「アウトソーシング」を始めた。

とはいえ、半グレは様々な系統の暴力団とつかず離れずの関係を築きつつ、格闘技大会や飲食店経営などで独立性を保ってきたともいえる。しかし、半グレ集団による犯罪行為が目立ち始めると、当局の圧力を受けて解散したり、活動休止に追い込まれた。後に残った半グレ集団の残党だけでは、これまで通りの半グレ活動を続けられず、半グレ集団丸ごとがヤクザの下請けとなり、暴力団ではない「半グレ集団」として、名前だけがなんとか存続しているのだ。X氏も続ける。

「半グレ集団というよりは、完全にヤクザの下(請け)になったわけだから、上(のヤクザ)の意向に沿った行動しかできない。ヤクザ同士のもめごとがあると、末端要員として駆り出されるし、キャバクラのボーイとかスカウトみたいなシノギをやって、上納金も支払わなければならず…。今の半グレは、それでも自分は“ヤクザじゃない”と思っているようですが、考えが甘い。中には、暴力団ではないことを逆手にとりつつ、自身のバックには暴力団がいるんだと匂わせて人を脅す奴だっています。義理とか人情、仲間同士の結びつきなんかどうでもいいという、単なるお調子者の若い奴が多い印象です」(X氏)

さて、条例や法律によって厳しく活動を制限されてきた暴力団と同様に、一般人以上暴力団未満という半グレの活動をこのまま放っておくわけがない、というのが当局の本音である。前出の新聞記者は、半グレが実質的に暴力団と同等かそれ以上の存在感を持って幅を利かせている現状がある以上、現行法の解釈拡大等によって、間もなく半グレも厳しく活動を制限されるはずとみている。しかし、そこには新たな問題点もある。

「暴力団の代わりだった半グレを、当局はいよいよ本気で潰そうとしています。そうすると当然、半グレに変わる集団が現れるはずです。最近は、そこに一般人が加わってしまうという傾向がある。例えばオレオレ詐欺の受け子や薬物の運び屋などは、ヤクザや半グレより一般人にやらせた方がリスクも少なく、ネット掲示板などで“日払い”や“高給”と謳って募集をすれば、人材は簡単に調達できる。暴力団から半グレ、そして一般人へと犯罪行為にかかわる当事者が変わってくると、いざ何か犯罪行為があったときに、取り締まりしづらかったり、悪の大元がわからなくなったりする恐れもあります。半グレの規制は必要かもしれませんが、是々非々なんです。」(大手紙大阪社会部元記者)

「この世に悪の栄えたためし無し」などといわれる一方で、悪人たちが絶滅したことも、有史以来一度もない。暴力団や半グレを潰しても、悪いことをする連中がいる、という事実がある以上、その代わりになる存在は必ずや生み出される。わかりやすかった「悪の仕組み」は、国家権力や正義の市民達と攻防を経てその形態を複雑化させ、地下に潜り、ついには一般市民を身代わりにし始めたということなのだ。

参照元 : NEWSポストセブン


【半グレ予想2019】関東連合、大阪アビス、環状族、暴力団…「芸能界やITに精通する関東勢」は今後生き残るが…

2019.01.04

2019年、準暴力団いわゆる半グレはどのような道を歩むのであろうか?

その前に、半グレに関して“間違った認識”が世間に伝わっていることを読者の皆さまにお伝えしたい。

“半グレ”という言葉はここ数年で作られた言葉だと知られている。ある高名な作家で、このジャンルでは大御所の人物が名付けたという話が定説で、誰も異を唱えたりしない。しかし、元々“半グレ”は裏社会では戦後から頻繁に使われていた言葉で、戦後、昼間は働いたり、大学に通っていた人間が夜になると違った一面を見せていた人々を指した“半分愚連隊”という言葉が語源だ。そして、それを初めて文章として表に出したのは作家の安部譲二氏だ。安部氏が30年近く前に書いた書籍などにその題名が残っており、決して最近作り出されて生まれた言葉ではないことがわかる。

2018年末現在で“半グレ”いわゆる準暴力団に指定されているのは10団体と言われている。

・関東では関東連合・怒羅権・打越スペクター・大田連合。 ・関西ではアビス・アウトセブンが指定とされている。 ・残りの4団体の正式な発表は警察庁が広報していない。

トカナでは過去“関東連合”・“アビス”などを中心とした半グレ原稿を掲載しているが、果たして準暴力団として、半グレは2019年、今後どのように変わっていくのだろうか大胆予想をしてみたい。

半グレの2019年予想を取材

●関東の半グレの実態:関西半グレと関東半グレの決定的な違い

「関東と関西では僕たち半グレの考え方も生き方も違いますね」と冒頭から違いを力説したのは、関東連合OBの人間だ。

「関西と違い、関東の僕たちはチームを暴力団に守ってもらおうとは考えてもいませんでした」と断言した。実際に彼らのチームが暴力団の手先となって動いている事件は数少ない。

それはなぜなのだろうか?

「僕たち関東の場合、色々な組織の幹部待遇で迎え入れられるような人間がグループのトップにいましたし、さらに外舎弟(組織に入らず兄弟分になること)などして横の関係性を築くことを心がけていました。だからでしょう、横の繋がりは今でも深いし、組織同士が揉めたら反対に仲裁に入れる立場にもいます。なぜそこまでできたかというと、僕たちには自分たちで金を握る技量があったからです。関東連合の名前で金を作ることができたのです」と語る。

実際に関西の半グレと比べると関東は資金力も生き方も全く違うのは昨今の報道でも明らかだ。

関東の半グレは“芸能プロダクション”・“IT会社”・“AVプロダクション”などを中心に様々な合法から非合法までの企業を作っている。関西の半グレが行っているミナミを練り歩く行為は、今から20年前位に渋谷を中心に暴れ回っていた時代が関東では最後であろう。客引きからのぼったくりなどの行為は、関東の半グレは今では絶対に行わない。そのような事をしなくても、儲かる店、システムを既に構築しているからだ。

当然関東と関西の土壌での資金力や経済力の差もあるであろう。

例えば、非合法なシノギで特殊詐欺なども関東の半グレは行っているが、桁は億単位のシノギもしている。2016年に起こった南アフリカのスタンダード銀行から流出した個人情報を元に偽造クレジットカードが作られて、同年5月15日の早朝2,3時間の間に全国17都府県にある約1700台のATMから一斉にキャッシングで現金が引き出された事件があった。この事件の凄さは、キチンと決められた時間に一斉にATMから現金を引き出された統率力だ。まだ主犯は海外に逃亡しているが、この主犯は“関東連合”OBだった。

驚くべきことに、この“関東連合”OBが国際犯罪組織と手を組んだ計画の実行の“手先”となったのが暴力団である。主犯は未だに逮捕されていないが、出し子役の“関東連合”元メンバーや使われた暴力団関係者などが多数逮捕・起訴されている。

関東の準暴力団、いわゆる半グレは国際的な犯罪組織と手を組んで桁の違うシノギを行っているのが現状なのだ。

また、数々の女性芸能人とも交際するなど、色々な一面を持っている……それが関東の半グレだ。

●関西の半グレの実態:関西半グレと関東半グレの決定的な違い

一方関西の半グレは、今回トカナでも報じた“アビス”55人逮捕の報道にもあるように、未だに暴力的な支配からは抜け出せていない。

電話インタビューで関西の某半グレのメンバーはトカナの取材に、「俺たちは暴力団の手先などではない。俺たちは好きなように暴れて生きるだけ」と答えていたが、実際はどうなのだろうか?

“アビス”・“アウトセブン”などの主要グループが解散した格闘技団体の流れであることは事実であることは隠せない。その解散した格闘技団体はある暴力団と極めて近い距離にあった。

捜査関係者の話では「暴排条例によって、関西の指定暴力団がこれまでのように動けなくなった直後から、半グレグループがミカジメやら店の守りやらで大阪ミナミで暴れ出したのは事実」とのことだったが、解散した格闘技団体の関係者もこの事実を認めている。

「ミカジメを払わない店があったら、暴れたり、嫌がらせをしたりしていた。それは上から言われてやっていた。また、自分たち格闘技団体のタオルとかチケットなども店に強引に売りつけていた。ヤクザの義理とか当番には入らないだけでそれ以外は完全にヤクザだった」と語っている。

大阪では彼ら「半グレ」とは別に「環状族」という生き方の違うグループが混在している(詳しくはこちら)。環状族は正業を持つ人間も多く、事件を引き起こした場合も、半グレとは質は違い、表沙汰になっていない経済事案なども含まれる。

「関西の半グレは2019年も徹底的に取り締まられるでしょうね。都構想も持ち上がって来たし、オリンピックや万博もあります。今のスタイルでは生き残れないでしょう。地下に潜ったとしても関東のように経済的な余裕もない。何をやるにしても関東の後塵を拝することになる。でも俺ら関西人としてはそのようなことには絶対になりたくない」とある関西半グレのメンバーはこう意気込みを見せるのだが……。

半グレの2019年まとめ
筆者の見立てとしては、2019年、関西の“半グレ”は徹底的に大阪では取り締まられるだろう。それは3つの山口組の下請けのような立場を抜け出せないからだ。しかし、その立場ではない環状族は生き残っていく。

反対に、関東の半グレは既に殆ど実態が無い。殆どの組織の幹部は既に大手暴力団の幹部の地位にあり、逮捕された時に組名よりも先に関東連合OBという呼称が先に報道されるように注目度は高い。実態はないが、名前だけが大きく生き残っていくというのが関東の半グレの2019年であろう。

(文=エイチ) 参照元 : TOCANA





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