2017年9月28日木曜日

田代まさしは指定暴力団・住吉会の西口茂男総裁(享年88)の親戚だった

田代まさしの“おじさん”住吉会西口総裁 厳戒体制で行われた「忍ぶ会」ルポ

2017.9.27 19:20



9月27日午前、埼玉県日高市のとある会館。暴力団員の車が次々と門をくぐり、その周辺では、「捜査」と記された腕章をし、防弾チョッキを身にまとった埼玉県警の警察官が十数人で警戒にあたっていた。午前11時ごろ、ずっしりとした鉄の門が閉まった。関東最大の指定暴力団・住吉会の西口茂男総裁(享年88)の「偲ぶ会」が始まった。



「警察が警戒にあたっているのは昔、ほかの火葬場で射殺事件があったこともあり、トラブルを警戒したのでしょう。当初は跡目争いを警戒していたが、どうやらすぐにはなさそうな雰囲気ですね。会長職を退いてからも、西口総裁のひとことでものごとが決まったりもした。だから、重鎮がいなくなったので、うちわもめはあるかも」(暴力団に詳しいジャーナリスト)

物々しい葬儀以上に話題になっているのが、元タレントの田代まさし氏が西口総裁と“親戚関係”にあることを告白していることだ。9月14日に都内で西口総裁の家族葬が営まれたが、弔問に訪れたとの情報が流れた。参列者はこう打ち明ける。「親戚なんです。総裁の奥さんのきょうだいの子供ですから」。田代氏はその2日前の12日のツイッターにこうつぶやいた。

「僕の大好きな叔父さんが昨夜亡くなりました。僕達兄妹を、おふくろが亡くなって以来自分の子供以上に面倒をみてくださった叔父さん!僕達兄妹は叔父さんの親戚でいれたたことをおふくろの妹である叔母さんに感謝するとともに、叔父さんのことを誇りに思って、これからも生きて行きます。合掌」(原文のまま)

ツイッターには田代氏とのツーショット写真が掲載されているが、警察関係者によると、田代氏の隣に写っている男性は西口総裁だという。田代氏が通う薬物依存症患者の自助組織「日本ダルク」本部に取材すると、「個人に関することには応じられません」と回答があった。(本誌・上田耕司)

参照元 : AERA dot.


「東のドン」急死、「任侠山口組」組員射殺… 暴力団のよろめく明日

2017/10/2(月) 8:00配信



奇しくも同じ日、9月12日に「東のドン」たる住吉会の西口茂男総裁(88)が亡くなり、「西」では任侠山口組の組員が山健組傘下の組員らに射殺されるという事件が起こった。分裂、潰し合い、警察と社会の包囲網。暴力団「よろめく明日」、たそがれの光景――。

9月12日午前10時過ぎ、神戸市長田区五番町の住宅街。電気店を営む男性店主(49)は、ごく普通の暮らしを送っていればまずお目にかかることのないシーンを目撃した。

「1人の男が、倒れている男にピストルの銃口を向けとった」

男性店主はそう述懐する。

「大変なことやと思い、店の中に入ってすぐに110番しようとしたんやけど、そこで母親がまだ店先にボーッと立っとるのに気が付いたんや。で、母を呼んでこようとして少し店先のほうに戻ると、まだ、男が銃口を相手に向けとった。流れ弾が当たったら大変やからと思って急いで母親を店の中に入れて、通報の電話をしてる最中、外から銃声が聞こえたんや」

倒れている男に向かって、犯人がとどめの1発を放った。誰もがそう思うところだが、事実は違う。倒れている男はその前にすでに頭を撃たれており、遺体を目撃した近隣住民によると、

「顔の右側に小指くらいの穴が開いとって、そこから1秒おきくらいに噴水みたいに血が出とった」

犯人の男は、自分が撃った男が再び立ち上がってくることがないか、用心のために銃口を向けていただけ。その後に電気店店主が聞いた銃声は、別の男に向けて発射された際のものだった。

射殺されたのは、暴力団「任侠山口組」の織田絆誠(よしのり)代表(50)のボディーガードを務めていた楠本勇浩組員(44)。命を狙われた織田代表は辛くも難を逃れた。山口組が六代目山口組と神戸山口組に分裂してから2年余り。神戸山口組を割って出た織田代表が新組織を結成してから約5カ月。三つ巴の戦いとなる中、いずれかの組織のトップが襲撃されたのは今回が初めてだ。

事件現場は織田代表の自宅の近く。車3台で細い路地から幹線道路に出る際、犯人の運転する車が車列の先頭にぶつかってきたところから事件は始まる。ちなみに、犯行に使用した車を運転していたのは、事件の4日後に警察に指名手配された神戸山口組の中核組織、山健組傘下の組員、菱川龍己(41)だとされている。

「その菱川いうんは、我々の間では黒木いう名前で通っとるヤツや。黒木の運転する車にぶつかられた先頭の車に、織田代表は乗っとった。その後、2台目に乗っていた楠本のほうが先に飛び出し、少し遅れて黒木も車を降りたようや」(任侠山口組関係者)

“撃ってみんかい!”――そう凄みながら楠本組員は黒木に向かっていったという。それからほどなくして、織田代表の乗る車は何とか現場を離れたようだ。

「楠本は黒木を中央分離帯のほうまで押し出していった。そこで、楠本が黒木に馬乗りになるような格好でもみ合いになったんやけど、そこで撃たれた。下になった黒木が、馬乗りになっている楠本の右眼の辺りを撃ったんや。2発目は、近寄ろうとした他の警護隊員らに向けて発射された」(同)

黒木が車列の進行を妨害し、車列の後方から別の男が挟み撃ちにする。犯行グループはそう計画していたようだが、

「現場近くの防犯カメラには、自動小銃を持った緑のジャンパーの男、通称“ミドリマン”が車列の後方から近付いてくるところが映っとる。が、発砲音に驚いたのか、また後方へ戻って行ってしまうんや。肝心なところでビビッて腰が引けてもうたんやな」(同)

射殺された楠本組員は5カ月ほど前に任侠山口組傘下の組員になったばかりだった。一方の黒木は、神戸山口組と山健組の頂点に君臨する井上邦雄組長(69)の「親分付き」を長くやった人物だ。

「井上組長が四代目山健組組長であることから、親分付きは『四付き』と言われる。この四付きは常に複数人いて、井上組長の運転手、ボディーガードから身の回りの世話まで行う」(暴力団関係者)

その井上組長は6月16日、京都府警に傷害と暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕され、7月7日に処分保留で釈放された。任侠山口組の幹部はこう証言する。

「井上が釈放された次の日、黒木がシャブ食うて女にボケて飛んだ、いう噂が流れたんですよ。その時からもう始まっとったんちゃうかな。何かがあったら黒木が動く、いうことが」

問題はその“何か”の中身である。

「今振り返れば、伏線となる出来事が2つあった」

と、暴力団事情に詳しいジャーナリストは語る。

「1つは、先月、任侠山口組が新たに“神戸絆会”を作り、山健組の牙城である神戸に乗り込んでいったこと。もう1つは、8月27日に任侠山口組が記者会見を行い、井上組長の優柔不断さを暴露するなど徹底的にコキおろしたことです」

火種は「盃事」
今回の事件に対する「返し」、すなわち報復を行うのかどうか、先の任侠山口組幹部に聞くと、

「ウチは一切、手ぇ出さへんと思う」

だが、任侠山口組が動かずとも、井上組長の「首」を虎視眈々と狙う組織がある。警察だ。

「今回の事件は、トップの井上組長までいける可能性がある、ということで兵庫県警は意気込んでいる」(全国紙社会部デスク)

もう1つ、警察当局を含む関係者が固唾をのんで推移を見守っている案件がある。それは、六代目山口組に次ぐ規模を誇る指定暴力団「住吉会」の動向だ。神戸で射殺事件が起こったのと同じ日の未明、住吉会の西口茂男総裁(88)が病死したのだが、

「四十九日が終わった後、つまり10月末以降に何らかの動きがあるかもしれません」(住吉会関係者)

西口総裁は1991年、それまで「住吉連合会」だった組織名を住吉会に改称して自ら会長に就任した。先のジャーナリストによると、

「それまでの住吉会は組織名を見ても分かる通り、“連合体”だった。そこに親子盃を持ち込み、“連合体”ではない一枚岩の組織に仕上げたのが西口総裁です」

そして、今後の火種となる可能性があるのがまさにその「盃事」で、

「西口総裁は住吉会の数十名の幹部と親子盃を交わしており、住吉会の関功会長もその1人。今回、西口総裁が亡くなったことで住吉会のトップに立つことになった関会長が、西口総裁と親子盃を交わしていた幹部たちとの盃直しにこだわった場合、拒否する者が出てくる可能性がある。その場合、最悪のケースでは住吉会が分裂することもあり得る」(先の住吉会関係者)

そんな中、動向が特に注目されているのが、住吉会総本部長で幸平一家の加藤英幸総長である。

「加藤さんは西口総裁と親子盃を交わしている大実力者で、住吉会を出て行くようなことになれば大きな騒動になる。加藤さんは神戸山口組に近いということもあり、山口組の三つ巴の戦いに影響が及ぶ可能性もある」(先のジャーナリスト)

よろめき、足掻き、流動化する暴力団。我々が目撃しているのは、「終わりの始まり」なのだろうか。

「週刊新潮」2017年9月28日号 掲載

参照元 : デイリー新潮



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