2017年11月13日月曜日

本部事務所が使えなくなった指定暴力団・神戸山口組、規制の網から漏れた三宮に近いビルに新本部設置か?

<神戸山口組>規制漏れビルに新本部設置か 警察は動向警戒

2017/11/11(土) 11:05配信



10月末の裁判所による仮処分決定で兵庫県淡路市の本部事務所が使えなくなった指定暴力団・神戸山口組。新本部として有力視されているのが神戸市の繁華街・三宮に近いビルだ。県内の商業地では改正暴力団排除条例で事務所新設が禁止されたが、ビルは条例施行前に同組側に所有権が移され、規制の網から漏れた。拠点化すれば周辺住民の生活に影響が出かねず、警察当局は動向を警戒している。

今月8日午前、神戸市中央区にある4階建ての黒いビルの前に警察官や報道関係者が集まった。神戸山口組が毎月8日に開く定例会があるとの情報が流れたためだ。しかし、この日は関係者が数人出入りしただけで会合は中止された。県警幹部は「まだ中止とは決まっておらず油断はできない」と話す。

淡路市の神戸山口組本部について神戸地裁は10月31日、住民の委任を受けた「暴力団追放兵庫県民センター」による仮処分申請を認め、使用差し止めを決定。同組は本部事務所を閉鎖した。

代わる場所として浮上したのが神戸市のビルだ。今年3月24日に神戸山口組幹部が実質的な所有権を取得し、組員が常駐して会合にも使われてきた。「定例会は暴力団の結束を強める意味がある」(県警幹部)というが、各地から組長を集める上で交通の利便性も高い。

警察は拠点化を懸念し、ビルを巡って虚偽の不動産登記をした疑いで10月に同組幹部らを逮捕(後に処分保留で釈放)するなど取り締まりを強めた。しかし、抜け穴があった。

2015年の山口組と神戸山口組の分裂後、「暴排の切り札」として今年8月に改正県暴力団排除条例が施行された。事務所の新設禁止区域を市中心部の商業系地域へと大幅に拡大した。ビルも域内だが、所有権の実質移転は施行の約4カ月前に済んでいる点がネックとなった。暴力団問題に詳しい垣添誠雄弁護士(兵庫県弁護士会)は「本部を移しても既設扱いとなり、新設事務所にはならない」と指摘し、条例の適用は困難とみられる。

ビルは抗争状態にある山口組系事務所から約300メートルの至近距離にあり、店舗や住宅の密集地域。神戸山口組と離脱した新組織の対立を背景に9月には神戸市長田区で射殺事件も起きており、住民の懸念は強い。垣添弁護士は「淡路市の事例のように、使用差し止めの仮処分申請など法的措置を取るしかない」と言う。

淡路市で暴排運動に携わり、本部事務所の閉鎖へとつなげた男性住民は「地域一丸で声を上げ、暴力団の行き場をなくす市民や行政の姿勢が必要」と話している。

参照元 : 毎日新聞


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