2017年11月1日水曜日

【上納金脱税事件】工藤会トップ野村悟被告(70)が無罪主張【福岡地裁】勾留3年、風貌様変わり

工藤会トップ無罪主張=上納金脱税事件―福岡地裁

2017/10/31(火) 18:33配信



特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)の上納金をめぐる脱税事件で、所得税法違反に問われた同会トップで総裁の野村悟被告(70)と同会幹部の山中政吉被告(66)の初公判が31日、福岡地裁(足立勉裁判長)で開かれた。

野村被告は「起訴状で私の収入や所得と言われたものは私のものではない」、山中被告は「所得は工藤会のものだ」とそれぞれ述べ、無罪を主張した。

1998年に発生した元漁協組合長射殺事件で2014年に逮捕されて以降、野村被告が公の場に現れるのは初めて。同被告は殺人罪などでも起訴されており、脱税事件のみ先行して審理される。

参照元 : 時事通信


<工藤会トップ>勾留3年、風貌様変わり

2017/10/31(火) 23:03配信

暴力団特有の上納金を巡る脱税事件で所得税法違反に問われた工藤会総裁の野村悟被告(70)が、福岡県警に逮捕された2014年9月以降初めて公開の法廷に姿を見せた。市民も標的にする凶暴さで恐れられた暴力団トップは、31日に福岡地裁で開かれた初公判で検察側と全面対決する姿勢を鮮明にした。凶暴さの背景にあるとみられる利権の構図を検察側がどう描くのか。関係者らは固唾(かたず)をのんで審理を見守った。

◇検察、襲撃立証の一歩期待

午後3時35分ごろ、野村被告は海外ブランドの紺色の高級スーツに身を包み、鋭い視線を周囲に送りながら福岡地裁302号法廷に入った。しかし、長い拘置所生活のためか風貌は様変わりしており、黒縁眼鏡に補聴器を付け、頭には白髪が目立った。起訴内容の認否では手元のノートに目を落として「私の収入や所得と言われたものは私のものではありません」と答えた。

捜査関係者らによると、野村被告は裕福な農家の四男として旧小倉市(現北九州市)で生まれた。中学時代から不良仲間と自動車盗などを繰り返し少年院を出入りした。20代で工藤会系組員の舎弟になると、組織内の抗争をくぐり抜けて昇格を続け、11年7月に64歳で総裁に上り詰めた。

誰も逆らえない絶対的権力者として振る舞う一方、周囲を自分と同じ出身母体の人材で固めるなど「疑心が強い」との評価も絶えなかった。上納金は金融機関の口座に入金させて出費を記録させており、そのことが脱税事件で立件される一因になったとも言われる。

検察側は冒頭陳述で組員らが建設業者やパチンコ店から吸い上げた上納金を最終的には野村被告ら最高幹部で分配していた実態を指摘した。福岡地検幹部は「野村被告の所得実態を示すことで、意に沿わない一般人襲撃の動機や野村被告による指揮命令を明らかにできる」と狙いを語る。

福岡県警幹部は「今も野村被告を崇拝して無罪を信じている組員はいる。有罪を勝ち取れば工藤会に与えるショックは大きい」と話し、公判が工藤会壊滅への追い風となることに期待を示した。

◇資金源対策、議論を

暴力団は、傘下団体が建設業者や飲食店などから「みかじめ料」を集め、上部団体に上納しているとされる。資金源剥奪のため上納金への課税の必要性は叫ばれていたが、資金の流れを把握するのは難しく課税は事実上困難だった。そんな中で建設業界などから年間数億円の上納金を集めていたとされる工藤会トップが脱税に問われた意義は大きい。

検察側は、上納金が実質的に野村被告の所得だったことを示すことで脱税を認定できると主張する。金庫番の山中政吉被告(66)が残した出入金記録など証拠が限られる中、検察側がどう立証するのか注目される。ただ、検察側が主張する野村被告の「総所得」は工藤会に集まる上納金の一部を捉えたに過ぎない。組員から毎月集める上納金の実態が不透明なためで、検察幹部も「実際の総所得は神様しか分からない」とこぼす。

日本弁護士連合会は今年2月、「暴力団の上納金は全額がトップに帰属するとみて課税すべきだ」との意見書を国税庁などに提出。総額は構成員数や平均上納額などから推計できるとする。しかし、今回の立件経緯を見てもそれほど簡単な話ではなく、今後も暴力団の資金源対策について議論を深めるべきだ。

参照元 : 毎日新聞


工藤会の「上納金」実態解明へ “絶対的頂点”総裁の脱税事件、あす初公判

2017/10/30(月) 10:24配信



特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)の「上納金」を巡る脱税事件で、所得税法違反の罪に問われた同会総裁の野村悟被告(70)の初公判が31日、福岡地裁(足立勉裁判長)で開かれる。検察側は上納金の流れを立証することで、野村被告を「絶対的頂点」とする組織の実態解明につなげる。被告側は「野村被告の個人所得ではない」として否認し、全面的に争う方針。

一連の「工藤会壊滅作戦」で、野村被告は2014年9月、元漁協組合長射殺事件(1998年)の殺人容疑で逮捕され、これまで計6回起訴された。脱税事件のみ分離して審理が始まり、野村被告が公開の法廷に姿を見せるのは逮捕後初めてとなる。

起訴状によると、野村被告は「金庫番」とされる同会幹部山中政吉被告(66)=所得税法違反罪で起訴=と共謀、2010~14年の上納金のうち、野村被告の個人所得に当たる8億990万円を税務申告せず、約3億2067万円を脱税したとされる。検察側は、この5年間の総所得が約9億4551万円に上るのに対し、納税額は約3229万円だったとしている。

みかじめ料の1割は組織の運営費
捜査関係者によると、課税対象としたのは大型工事の際に建設会社などから工藤会に支払われたみかじめ料。山中被告やその親族名義の口座に分けて管理されていたみかじめ料が野村被告の個人所得と位置付けられるのかが争点となる。

検察側は一連の捜査や公判証言から、みかじめ料の1割は組織の運営費に充てられ、9割は幹部で配分、野村被告が3~6割を受け取っていたほか、個人的用途に充てていたことも確認できたとしている。野村被告の弁護側は「口座は工藤会に帰属する」と主張する見通し。

事件を巡っては、福岡国税局が08年以降の7年間分を税務調査し、重加算税や延滞税を含む約8億円を追徴課税。北九州市も国税局からの通報を受け、ほぼ同時期の市民税と県民税の未納分など約1億数千万円を追徴課税し、それぞれ個人口座などから差し押さえている。

参照元 : 西日本新聞





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