2020年4月22日水曜日

ヤクザが経営と噂のタピオカ屋が一夜にしてマスク屋に

全ての店がそうではないですが、タピオカ屋は暴力団のシノギになっているというのは有名な話でしたが、今度はマスク販売をシノギにしているようです。



▼こちらは池袋のタピオカ屋。マスク販売店に変身。

 



超ぼったくり価格。



山口組、住吉会も「タピオカドリンク」参入! ブームをシノギにするヤクザの“次なる資金源”は?

2020年1月11日 18:00



2018~19年にかけて大流行した「タピオカドリンク」が、暴力団の新たな資金源になっている!? そんな衝撃的な事実を明らかにした『教養としてのヤクザ』(19年10月発売/小学館新書/溝口敦、鈴木智彦共著)。著者の1人である暴力団事情に詳しいフリーライターの鈴木智彦は、タピオカドリンク店が暴力団のフロント企業になっていると指摘し、そのカラクリを紹介している。ヤクザが流行をメシの種にしているという事実は世間にはあまり知られていないが、一体なぜ暴力団はタピオカドリンクに目を付けたのか。ほかにも、私たちの身近なところに資金源はあるのだろうか。

タピオカ記事が大反響、呉の組員から電話が……
――『教養としてのヤクザ』上梓の前、2019年6月にニュースサイト「NEWSポストセブン」に、鈴木氏による「タピオカがヤクザの資金源に 『こんなに楽な商売はない』」という記事が掲載されました。この記事には、暴力団幹部は中国や業務用スーパーから激安のタピオカを仕入れ、スーパーの安い茶葉を使用してミルクティーを作り、原価1割ほどで1杯約500円を販売。1店舗で月に80~100万円ほどの利益をあげていると書かれており、同記事はネット上で大反響を呼びました。

鈴木智彦(以下、鈴木) そもそもこの「ヤクザとタピオカ」の企画は、平成生まれの若い担当編集者が、毎週行われているプラン会議で、裏取りをしないまま苦し紛れに出したものだったんですよ。「ヤクザとタピオカ」という意外性と、語感で思いついたのだと思います。俺は最初「暴力団がタピオカドリンク店をやっているなんて、そんなことあるわけない」と断った。もともとシノギの取材にはあまり興味がなくて、専門としているのは殺しだから。だけど、その編集者が独自に調査して山口組系のタピオカドリンク店を見つけてきたんです。そうなったら、こっちも燃えるじゃないですか(笑)。調べてみたら、都内に住吉会系の店もあることがわかった。だから、着眼点自体は編集者のものなんです。

『教養としてのヤクザ』(小学館新書)
それで、まずこの記事が「週刊ポスト」(小学館)に掲載され、その後、ネットでも配信されたのですが、「すごいPVになっている」と編集部が騒ぎ出した。ネットの影響力はすごいですね。20年ほど前に取材した呉(広島県)の若い衆から「記事を見た」と連絡が来たし、昔から露店でタピオカドリンクを出していたテキ屋からも「こういうことを書くと商売が面倒くさくなるから、これ以上書かないで」なんて連絡も来たので、びっくりしたね。これが「バズる」ということかと。

――『教養としてのヤクザ』によるとカカオも資金源になっているそうですね。

鈴木 暴力団は、いろんなところに投資をしているんですよ。仮に投資先が事業に失敗しても、「返せ」と脅せるから、さまざまなところに投資できる。タピオカはそのうちの一つにすぎません。タピオカは暴力団の参入にぴったりだった。作るのにスキルがいらない、従業員はアルバイトでいい、店は狭くていい……その上、タピオカは激安。タピオカよりミルクティーの方が高くつくので、タピオカを無料で増量して、ミルクティーを減らすと、「お客さんは喜び、店は儲かる」と言っていましたよ。

カカオはバレンタインデーの1カ月くらい前に急に値段が上がる。賞味期限切れのカカオを安く買い集めて、シンガポールの倉庫に置いておき、バレンタイン前に「新しいカカオ」として輸入販売して儲けるというのが3年ほど前にはやったんです。目のつけどころがすごい。

――ほかにも、ヤクザが流行をメシの種にしている例はありますか。

鈴木 以前、京都でバターを大量に使った高級なデニッシュパンがブームになりましたが、これは工藤会が出資していましたね。銀行だと融資までに1~2カ月かかるところ、暴力団は即日お金を持ってきて1週間後には契約できる。はやりものにすぐに投資して、ブームが収束する前に大金を回収して手を引く。ヤクザっていうのは腰が軽くて、飲食店への出資は昔から多いですよ。

ほかにも、15年ほど前、エステや民間療法がはやったとき、ヤクザも投資をしていましたね。友人のライターが怪しい医者を追いかけていたら、俺の知り合いのヤクザが経営している病院の医者だったということがあった。今はやりのジムに参入している暴力団も多いんですよ。

――どういうふうに商売のタネを見つけてくるのですか。

鈴木 暴力団の親分に「俺たちのシノギの場に連れて行ってやる」と言われ、会食に連れて行かれたことがあります。そこには商売をしようとしている人、一方で、夜の仕事なんかで大儲けした人がいて、つまりヤクザは、お金を借りたい人とスポンサーを結びつけるというコーディネーターのような役割を担っていました。ヤクザ本人が投資したい商売があれば、参入したりもしていましたね。暴力団は1億円でも2億円でもすぐにお金を融通できるので、短期でお金がほしい人は頼ると思います。

俺たちは世間から「ヤクザの味方」と言われないように、意識して暴力団を悪く書くけれど、実際には、付き合った仲間を食いものにするようなヤクザはいない。ごくたまにどうしようもない奴もいるけど、それは特殊な例で、どこの業界でもあることなのではないでしょうか。

――投資した中には失敗した事業もあるのでしょうか。

鈴木 それはあると思いますよ。だいぶ昔、ドトールが店舗数を増やし始めたときに、ヤクザ もコーヒーショップをたくさん出店したけど、失敗して潰れていました。太陽光発電システム に設置すると電気代が全部無料になるという機械に、何千万円も出資して失敗したという話も聞きましたね。あと、FXのバイナリーオプション・ハイローという、為替の動きを上がったか、下がったかの2択だけで予測する投資があるのですが、その結果を予想するパソコンソフトというのがあって、50万円だか100万円だかするものだそうです。しかし、その投資もあまりうまくいっていないという話ですよ。ヤクザは山っ気があるから、丁半博打と同じようなもので、儲かるときもあれば大損するときもあったりします。

――暴力団が時代を読むのに優れているわけではなく、いろいろなことに手を出して、たまたまタピオカドリンクのように大当たりするものもあるということですね。

鈴木 タピオカは大当たりには入らないと思います。単価が安いから。そんな微々たる儲けじゃダメだよね。ただいくつか店舗を持ったら、それなりの儲けにはなるかもしれません。

――今後、資金源になりそうなものはありますか。

鈴木 はやりものにはなんでも手を出しますよ。特にタピオカドリンク店同様、「作るのにスキルがいらない」「従業員はアルバイトでいい」「店は狭くていい」というポイントを押さえたはやりものが出たら、参入するでしょうね。ブームが終わりつつあるタピオカドリンクからは、もう手を引くと思いますよ。

――暴力団のシノギというと、売春や土地転がしで莫大な金を稼いでいるイメージが強いです。しかし、暴排条例(暴力団排除条例)で昔のように派手にお金を動かせなくなったので、タピオカドリンクで地道に稼いでいるということはありますか。

鈴木 それはないですね。先ほども言ったように、タピオカドリンク店は数ある投資の一つ。自分たちで営業しているわけではなく、あくまで出資しているだけなんです。土地は儲かるけど、土地転がしにはスキルがいるので、専門の暴力団しかできない。はした金を持って新規参入してきた暴力団には儲けられないんですよ。

――暴力団は、いわゆるチケット転売で儲けている印象もあります。いわゆる「ダフ屋」ですね。しかし最近、デジタルチケットが普及し始めて転売が難しくなり、稼げなくなっているのではないかなと思うのですが。

鈴木 ダフ屋は、ダブ屋を専門とする姉ヶ崎一家が一手にさばいています。姉ヶ崎一家は指定暴力団ではないので、規制は緩いから、ダフ屋は続くだろうね。ただ、やはりデジタルチケットが普及すると厳しい。以前と比べて数は減ってきていると思います。

――みかじめ料を資金源にしているというのもよく聞きます。例えば、スナック経営者にみかじめ料を要求して、お金をむしり取っていくようなイメージがあるのですが。

鈴木 それは漫画の世界の話。暴力団に聞くと、今はみかじめ料はほとんどないと言います。実際の犯罪検挙数では多いかもしれないけれど、特に都会ではもう取れないですね。みかじめ料を取る基準は、女を使っている商売かどうか。デリバリーヘルスなど、女を使った商売には暴力団がやって来ます。でも、2005年の風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)改正により、違反の罰則が強化され、開業する際は公安委員会に営業届を出し、届出確認書を店に備えなければいけないなど、厳しくなった。すなわち、きちんと営業している店は警察が付いているので、暴力団はみかじめ料が取れなくなったわけです。

ヤクザがみかじめ料を取るとしたら、本番をウリにしているデリバリーヘルスなど、非合法の商売。暴力団が来ても警察に駆け込めないから、そこにつけ込んで取る。オレオレ詐欺なんかも、暴力団が直接やっているわけではなく、「やっている連中は警察に駆け込めない」というところにつけ込んで、上前を取っているんですよ。

――想像上のヤクザのシノギと、実際のシノギは事情が異なるなと思いました。

鈴木 古典的なシノギは売春、賭博、覚醒剤といった非合法なことだけど、本当は暴力団も合法の仕事をしたいと思っています。捕まるリスクがないから。だけど暴排条例で、彼らは銀行口座を持てないし、カタギと付き合ったらカタギが罰せられる。表立って合法な事業ができないんです。だから非合法の仕事か、タピオカドリンク店への投資など、隠れて合法なことをやるしかない。暴力団がタピオカドリンク店を経営して何も悪いことはないはずなんですけどね。誰かを脅しているわけじゃないし。でも警察は「暴力団の資金源になる」といって潰しに来る。正直、おかしな話ですよ。ただ、ヤクザはよくこうやって言っています。「朝、満員電車に乗ることもなく、昼に起きて、喫茶店でゆっくり飯を食べて、夕方から飲んで稼いでるのだから、カタギからやり玉に挙げられるのは仕方がない」ってね。

――最近のヤクザは以前より丸くなったと思わされる一方、現在も暴力団の抗争のニュースを目にします。

抗争は世間に対するアピール、いわば彼らのステージなんですよ。抗争で強かった組に、人とカネが集まる。逆に負けっぱなしだと集まらない。暴力団に近づくカタギの奴らは、「暴力団は怖い、でも僕らにはやさしい」という“ギャップ萌え”をするものですから、暴力団は派手な抗争をして殺し合い、強いところを見せないとならないわけです。しかし、だんだんそれもなくなってきましたね。漫画やヤクザ映画と違って、殺しのカードはそんなに切れない。殺したあとが大変だから。山口組もドンパチやってるけど、やり足りなくて、いままで築いてきた山口組の強いイメージの貯金が減ってきているように思います。

―― 一般的には、自分たちの身近なところに暴力団が絡んでいると想像できません。「タピオカドリンク店がヤクザの資金源になっている」という記事が反響を呼んだのも、「まさかそんなことが」と驚いた人が多かったからではないでしょうか。

鈴木 結構身近にいるんだけど、みなさんが気づかないだけ。とあるホテルのラウンジに行ったら、若い衆がたくさんいたことがあったんですが、誰も気づかない。街でヤクザの集団が歩いてきても、誰も気づかない(笑)。最近は、柄シャツの襟をジャケットの表に出しているような漫画みたいなヤクザはいないんですが、佇まいが明らかに一般人と違います。ファッション関係者に言わせると、装飾品から着こなしから全て一般人とは違うそうですよ。

俺は、暴力団は差別と似ていると思う。差別は表出すると批判されるが消えることはない。暴力団も、叩かれて表から見えないかもしれないが、消えてはいませんから。

――ちなみに、芸能人とのつながりも深いと言われますね。

鈴木 もともと興行が暴力団のシノギ。昔は暴力団が芸能プロを経営していましたからね。その名残で、今でもつながりは深いんです。暴排条例の前は、芸能人とヤクザが一緒に食事することも当たり前のようにありましたよ。Vシネマも、「自分たちの組の歴史を作品にしている」と言って、該当する組が出資を行っていましたしね。あと、売れなくなって辞めたタレント……例えばジャニーズ事務所の元アイドルなんかも、暴力団やその周辺がお金をくれるから寄ってくる。それにヤクザは一緒に遊ぶには最高に面白い。組織人なので、空気を読んで場を盛り上げてくれるんです。

一方で、暴力団側も芸能人を広告塔や箔付けに使おうとします。「芸能人と食事した」と言うと、それだけで寄って来るカタギも増えるから。ヤクザと芸能人は持ちつ持たれつの関係なんです。ただ、芸能人は今、ヤクザと写真を撮られることに非常に敏感になっている。流出して「反社会的勢力と交流がある」と報じられたらアウトなのでね。

――時代によって変わりつつあるヤクザの現状を知れましたが、今後、ヤクザはどうなっていくのでしょうか。

鈴木 ヤクザの強さは親分・子分の濃密な絆。昔は、一家は家族、若い衆は子分、すなわち子どものような存在だった。しかし、それが今では薄れてきたように思います。山口組の組員は1万数千人いて、いわば会社の上司と部下と同じようなもので、つながりが弱くなっている。暴力団というのは、昭和から平成にかけて巨大化していきましたが、このスタイルでは今の厳しい取り締まりの荒波に耐えられないのではないでしょうか。組織を縮小して親分の目が届く40~50人の組織に戻っていかざるを得ないと感じていますね。

参照元 : サイゾーウーマン

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